2022年に入り、一層注目が高まっているメタバース世界の到来。
人々が現実世界と並行してメタバースの中の世界=仮想世界で生活をし始める未来が近づいているのでしょうか。
もしも仮想世界で現実世界と同じような経済網が繰り広げられるのであれば、もちろんそのための『通貨』が必要不可欠です。
今回は、メタバース上でのインフラとなる通貨=暗号資産(仮想通貨)について詳しく解説していきます。
メタバースについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
暗号資産(仮想通貨)とは?どんな種類がある?
暗号資産(仮想通貨)は、インターネット上でやり取りできる財産的価値のこと。
暗号資産は、ブロックチェーンという技術を用いることで技術的なコピーや偽装が不可能もしくは非常に難しいとされています。
データの破壊や改ざんが極めて難しいことで、障害によって停止する可能性が低いシステムが容易に実現可能という特徴を持つことから、銀行業務・システムに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
このブロックチェーン技術を応用して2009年に世界で初めて誕生した暗号資産がビットコイン(BTC)です。
その後は、スマートコントラクトという仕組みを取り入れたイーサリアム(ETH)などをはじめとする様々な暗号資産=アルトコインが誕生し続けています。
そして、メタバース世界のゲームThe SandboxではSANDと呼ばれる専用の暗号資産が存在するなど、その勢いは加速し続けています。
なぜ暗号資産が必要なのか
では、メタバース上で経済を成立させる上でなぜ暗号資産が必要なのでしょうか。
それは、永続的な仮想空間を実現するためにブロックチェーン技術が必要不可欠だからです。
従来のような『中央集権型』のデータベースを基盤にメタバース空間を構築した場合、仮想空間内でのアイテムや通貨などはそのサービスの主体となる運営が管理しなければなりません。
すると、データの違法な複製や取引ログの改ざんなどが行われてしまう可能性があり、仮想空間上の経済バランスが破綻してしまう危険性があります。
こうしたトラブルを防ぐことができるのがブロックチェーン技術です。
ブロックチェーンは利用者がそれぞれのデータを共有して管理する『分散型台帳技術』によって成り立ちます。
この技術を用いることで、各参加者によって誰が、いつ、どんな情報を台帳に書き込んだか確認することができるため、偽装や改ざんを行うことが非常に困難となります。
このことから、メタバース上で公正な経済が繰り広げられるためには暗号資産が必要となるのです。
暗号資産と同じくブロックチェーン技術が用いられているNFT(Non Fungible Token) も同様にメタバース上での活用を期待されています。
暗号資産のメリット・デメリット
『通貨』としての暗号資産には、法定通貨と比べて以下のようなメリットがあります。
- 世界中の国で使うことができる共通した通貨である
- 海外送金の手数料が安いまたは無料で、すぐに着金される
- 24時間・365日いつでも取引や換金ができる
- 国や地域の経済状況の影響を受けにくい
暗号資産の特筆すべき長所は、海外への送金が手軽になることです。
暗号資産はインターネット上で暗号化された電子通貨であるため、金融機関を通さず瞬時に海外へ送金・決済することができます。
そのため、銀行送金と比較して手数料が安かったり、着金が早いなどといったメリットがあります。
また暗号資産は、経済状況が悪く法定通貨が不安定な国において、資産価値の暴落を避けるために保有されることもあります。
一方で、暗号資産には以下のようなデメリットがあります。
- 現時点では価格変動が起きやすく、価値が安定しない
- アカウントの乗っ取りなどにより大きな損失が生じたとしても国からの保証が受けられない
- インターネットに繋がないと取引・決済をすることができない
- 利益が出たときに税率が高くなる場合がある(雑所得として課税される)
仮想通貨は、世界中の国の人々との決済をするにおいては便利な技術ですが、国やその中央銀行などといった中央集権が管理するような正式な通貨ではありません。
そのため、価値の暴落や盗難などによる損失被害の補償制度が整えられていないのが現状です。
また前提として、本来の貨幣(お金)には3つの機能(価値尺度、交換・流通手段、価値貯蔵手段)が存在します。
しかしながら、現在の暗号資産は価格の変動がとても激しく使える場所も限られているため、これら3つの機能を果たせているとは到底言い難い状況です。
ステーブルコイン(Stable coin)の存在
暗号資産が抱える最も大きな問題の一つである、価格の乱高下を解決するべく生まれたのがステーブルコインです。
ステーブル(Stable)とは『安定した』『固定された』という意味合いを持ち、ステーブルコインは米ドルと価格を連動させるなどの設計がなされています。
暗号資産は、投機的な用途ばかりが注目されがちですが、本来は決済手段の多様性や利便性を高めることを目的に設計されたものです。
暗号資産が仮想空間上でその目的を果たすためには、現在の日本円やドルなど、それぞれの国で流通している法定通貨のように、『実需』的な利用をされる必要があります。
したがって、暗号資産の本来の役割を果たすことのできるステーブルコインは今後大きく普及していく可能性があります。
『投機』から『実需』へと移行できるのか
現在、暗号資産を保有している人の多くが通貨の価値が低いうちに買っておいて高騰したら売ろうとする、いわば投機的な利用を目的としています。
例えば、ビットコインとイーサリアムはそれぞれ異なる性質を持っている暗号資産なのにも関わらず、単純に値段が異なるだけで同じ投機目的の種類としか考えていない人は多いはずです。
このような目的でいち早く暗号資産に参入した初期投資家達が売買を繰り返しているため、価格が乱高下しているのが暗号資産の現状なのです。
そのため、現段階ではビットコインをはじめとした暗号資産が通貨となって仮想空間上で経済網を形成するのは難しいでしょう。
したがって、今後仮想空間上の経済が形成されていくためには、価格変動の緩やかな仮想通貨の普及が必要不可欠になると考えられます。
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