凸版印刷は、1人のオペレーションで複数拠点のアバターを介した接客ができる「TOPPANアバターアテンドサービス」を開発したと発表しました。
凸版印刷は、明治時代から続く“100年企業”の1つ。社名の通り印刷を軸とした事業を展開しており、国内では様々な印刷技術のパイオニアとしても知られていますが、近年はデジタル分野でも躍進し、環境保護や教育などの分野でも多彩なサービスを提供しています。そんな同社が今回取り組んだのが、“接客”というジャンルです。
このコロナ禍で非接触のニーズが拡大し続ける一方、少子高齢化に端を発した人手不足・人材不足は業種を問わず深刻化しています。このまま放置すると接客の質の低下を招き、日本の“おもてなし”文化も危うくなる可能性があります。
こうした現状に対し同社は、遠隔地からサイネージに表示されたアバターを操作し、疑似対面型の接客ができるサービスを創出しました。このアバターは、食品や家電の販売士、管理栄養士、バスガイド、SDGsエデュケーターなど様々な業種の各分野に精通したプロをイメージして制作され、“アバシェルジュ”と呼ばれるデータベースに格納されています。
このアバシェルジュからニーズにあったアバターを選び、東京・大阪・福岡に用意されたスタジオで本物の専門家や特定の分野に知見を持つ人がそれを操作。画面を通して接客をするという仕組みになっています。
ユーザーはこのアバターを通して商品やサービスに関する説明を受け、それと同時に、サイネージに表示された二次元コードをスマホなどのデバイスで読み取ることで、気になる商品・サービスの詳細情報を取得することができます。
例えば、店舗で食品販売士の説明を聞きながらスマホではその食材を使ったレシピ情報を取得する、といった行動で、リアル接客を超えた付加価値を得られるため、顧客満足度を高めることが可能。さらに今後は、二次元コードではなくアバターを読み取ることで情報が得られる専用アプリの開発も予定しているそうです。
このサービスを活用することで、拠点ごとに各ジャンルの専門家を配置することが不要になり、専門家も全国のユーザーを相手に活動することが可能に。高品質の接客サービスを、より広い範囲で同時に届けることができるようになります。
同社は、このTOPPANアバターアテンドサービスにVRを組み合わせることなども検討中とのこと。今後の展開については、「従来の店頭プロモーションやBPOのノウハウを活かし、流通小売業や観光業界をはじめとして幅広い業界に拡販し、遠隔接客の集中管理拠点の整備も進めていきます」と発表。将来に向けた意気込みを見せています。
投稿者プロフィール
- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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