防犯カメラ設置は違法かも?設置における3つの注意点を解説!法律の注意すべきポイントを確認

刑事ドラマやサスペンス映画などで、防犯カメラの映像が物語に登場することがありますよね

その際、「防犯カメラって実際に人の顔を特定できるほど進化しているのだろうか?」と疑問に思ったり、あるいは驚かれたことはあるでしょうか。

また、家庭用の防犯カメラを設置する場合、他人の肖像権やプライバシーに配慮する必要があるのではないかと心配されることもあるかもしれません。

実際、防犯のために設置したカメラが逆に法的なトラブルを引き起こすこともあるようです。

防犯カメラを自宅やオフィスに設置する際は、撮影に関する法律について事前に理解しておくことが重要です。こちらの記事では、そんな防犯カメラに関する身に着けたい知識を解説していきます。

目次

自宅に防犯カメラを設置するのは法律違反?

一般的に、自宅に防犯カメラを設置すること自体は違法ではありません。ただし、カメラの設置や運用に関しては、個人のプライバシーを尊重し、法的な制約を守る必要があります。

以下は、注意すべきポイントです:

公共の場と私人の境界: 防犯カメラの設置範囲が自分の敷地内に収まっている場合は問題ありませんが、公共の場や他人のプライバシー領域に映りこむような設置は慎重になる必要があります。

隣接地や公道への映像: 隣地や公道など他人のプライバシーにかかわる場所を撮影する場合、その影響について法的な規制がある場合があります。

本人からの求めがあった場合、個人情報を取得する事業者には保有する個人情報をについて開示する義務(第24~27条)があります。また、苦情などの申し出にも、適切かつ迅速に対応しなければなりません(第31条)。

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

個人情報保護委員会

そのため、工事現場や建設現場に防犯カメラを設置する場合は、映像に関する問い合わせ先をしっかりと明示し、開示請求や苦情などの申し出があった場合は適切に対処するようにしましょう。例えば:カメラ設置の場所で、監視カメラのシールを貼ったら、通知効果もあります。

法的な要件は国や地域によって異なりますので、具体的なルールや法律については、日本の場合、所在地の自治体や警察署の規定を確認することが重要です。一般的には、合法的な防犯カメラの設置を望む場合でも、プライバシーに敏感な情報を尊重し、日本の法的な要件を守ることが重要です。

個人情報保護法とは?不正行為から正当な利用まで、知っておくべきポイント

個人情報保護法は、個人の権利や利益を保護し、個人情報の取り扱いに関する規定を定めた法律です。各国において異なる法律が存在しますが、以下は一般的なポイントです。

日本の個人情報保護法では、個人情報の取得において適正な手段を使用すること(第17条)や取得時に利用目的を通知すること(第18条)が規定されています。

例えば、工事現場や建設現場に防犯カメラを設置する場合、隠し撮りなどの不正な手段で個人情報を入手してはいけない旨が法で定められています。そのため、防犯目的でカメラが稼働しており、個人が特定できる映像が録画されていることを明示するための掲示が必要です。

ただし、防犯対策としてカメラを設置していることが状況から明らかである場合や、録画データを6ヶ月以内に削除する場合には、利用目的の通知は不要とされています。

  • 個人情報の定義
  • 適正な収集と利用
  • 同意の取得
  • 安全管理措置
  • 第三者への提供
  • 事業者の責任

個人情報の定義

個人情報は、特定の個人を識別できる情報を指します。具体的な情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、職業などが含まれます。

適正な収集と利用

個人情報を収集する際は、その目的を明確にし、合法かつ公正な手段で収集する必要があります。また、収集された情報は収集目的以外での利用が制限されます。

同意の取得

一般的には、個人情報を収集・利用する前に本人の同意を得る必要があります。同意は自由意志に基づいて提供され、いつでも取り消すことができるようにするべきです。

安全管理措置

事業者は個人情報を適切に管理し、漏洩や紛失を防ぐための安全対策を講じる必要があります。これにはアクセス制御、暗号化、定期的な監査などが含まれます。

第三者への提供

個人情報を第三者に提供する場合は、本人の同意が必要です。ただし、法令に基づく場合や契約に基づく場合は除かれることもあります。

事業者の責任

個人情報を扱う事業者は、適切な措置を講じ、法令を遵守する責任があります。違反が発生した場合は、適切な対応が求められます。

カメラを設置する上ではこれらの情報の分類や責任を理解しておくことが重要です。自身が取り扱う情報がどの形態に属しており、何に配慮する必要があるのかを今一度確認しておきましょう。

自宅での防犯カメラが法に触れるケースとは

防犯カメラの撮影範囲に関して、具体的な法的な制約は確立されていません。これは、防犯カメラの主な使用目的が「泥棒や不法侵入などの犯罪防止」であるためです。従って、犯罪が発生しやすいとされる場所への撮影は通常、正当な使用目的と見なされます。

ただし、これらの原則にもかかわらず、隣家の防犯カメラが自身の家のプライバシーを著しく侵害していると感じる場合は、直接隣家の所有者と対話するか、不動産管理会社に相談することが検討されます。

 プライバシー侵害実例

ある判例では、被告(管理者)が管理する区分所有建物の共有スペースに設置された防犯カメラが、原告(居住者)のプライバシーを侵害しているとして、原告が『カメラの撤去』と『損害賠償』を求めました。

判決では、4台のうち1台の撮影範囲が原告の日常生活を常に把握できると認定され、その1台については撤去と原告への損害賠償10万円が命じられました。この1台は原告宅の玄関・窓付近を映しており、防犯目的で設置されたものとされました。

裁判所は、カメラの設置は防犯目的であるものの、カメラが常時撮影を行っていて原告らの外出や帰宅などの日常生活を把握でき、かつその侵害を防ぐための代替案があることから、プライバシーの侵害が受忍すべき限度を超えていると判断しました。

一方で、他の3台については原告らの通行路や居住するエリアを撮影しておらず、プライバシーの侵害が受忍すべき限度を超えていないとして原告の請求は却下されました。

この判例から分かるように、防犯カメラの目的が『防犯』であっても、プライバシーへの侵害が社会生活上の受忍限度を超えれば、撤去や損害賠償の請求が認められる可能性があります。

自宅の防犯カメラで公道を監視するのは違法?

自宅の防犯カメラは主に「犯罪の防止」に寄与する一方で、実際に犯罪が発生した場合には「犯罪の証拠」としても重要な役割を果たします。

この際、被害者宅周辺を映し出す防犯カメラの映像は特に価値があります。ただし、常に道路を映し出すことで他人の姿が許可なく撮影される可能性があり、不審者を特定するためには高画質のカメラを使用して顔や特徴を明瞭に捉える必要があります。これにより、他人の姿が映り込むことが避けられません。

法律上、具体的な撮影範囲に関する規定は存在しませんが、一般的には自治体や警察が肯定的な見解を示していることがあります。防犯のために撮影範囲を広げることが合法である一方で、他人のプライバシーを侵害しないよう慎重に配慮する必要があります。

自宅の防犯カメラ設置における注意点3つ

① プライバシーへの配慮

防犯カメラの設置に際しては、画角(カメラが捉える範囲)に細心の注意が必要です。防犯カメラの目的は、自宅のセキュリティを向上させることであり、他人や他の敷地を監視するためではありません。無闇に設置してしまうと、「実は近隣住宅の内部まで映っていた」といった状況が生じ、これは法的に問題となる可能性があります。個人情報を考慮した画角を設定するよう心掛けましょう。

② プライバシーマスク機能を有効活用する

最新の防犯カメラには、人物の顔をモザイクやぼかしで覆う「プライバシーマスク機能」が備わっていることがあります。この機能を有効に活用することで、通りがかる他人の顔を保護することができます。

③死角の発生を避けるため

死角の発生を避けるために、防犯カメラの設置において慎重な検討が必要です。注意深く位置や向きを決定し、特に出入口や駐車場をカバーするように心がけましょう。広い敷地の場合は、複数のカメラを配置することも効果的です。また、泥棒や不審者は玄関だけでなく窓からも侵入することがあるため、警視庁のデータに基づいて、窓も重点的にカメラでカバーすることが重要です。住宅の裏側の窓は他の視線が届きにくいため、特にそうした部分にも注意を払いましょう。

まとめ

これまで、自宅に防犯カメラを設置する際の違法性や留意点について解説しました。犯罪防止のために設置する防犯カメラが、逆に近隣住民との問題を引き起こす可能性があるため、慎重な取り扱いが求められます。

スリーボーダーでは、防犯カメラの設置時にはテスト撮影を行い、プライバシーの侵害や法的な問題が発生しないように細心の注意を払っています。カメラの向きや画角が適切かどうかを確認することで、安心して防犯対策を進めることができます。

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いまをアルク編集部
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いまをアルクメディア編集部です。
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