「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向け国内メガバンクなど10社が基本合意書を締結

ジェーシービー(以下、JCB)を始め、国内メガバンクなど10社が、オープン・メタバース基盤「リュウグウコク(仮)」の構築と「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向けて基本合意書を締結したと発表しました。

この取り組みに参加したのは、JCB、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングス、損害保険ジャパン、凸版印刷、富士通、三菱商事、TBT Labという錚々たる顔ぶれ。社会において仮想領域を活用したDX推進の機運が高まる中、様々な需要に応えるため、企業向けオープン・メタバース基盤のリュウグウコクを構築します。

リュウグウコクの土台となるのは、TBT LabグループのJP GAMESが開発した「PEGASUS WORLD KIT」という、メタバースサービスやゲームサービスの制作を行うためのフレームワーク。優れた拡張性を持つツールで、これを用いてオンライン異世界RPGのテイストを盛り込みつつ、ファンタジックな世界観を持つメタバース空間を創出するとしています。

この空間では、各社が提供するメタバース同士の連携を図りつつ、メタバース・プラットフォーム同士の相互運用も可能にし、Web3時代にふさわしい社会インフラとして、国内企業のマーケティングや情報発信、DX実現などをサポートし、消費者にも異次元の消費体験が提供される予定です。

イメージとしては、リュウグウコクの世界観の中で、各社のサービスやコンテンツが街や城、乗り物などで表現されます。そしてユーザーはRPG内のキャラクターのようにその世界へ飛び込み、コンテンツを利用したり、サービスを楽しんだりする、というものです。

また、このリュウグウコクにおいては、前述のPEGASUS WORLD KITと共に、重要な2つのソリューションが活用されます。「AUTO LEARNING AVATAR(以下、AVR)」と「MULTI MAGIC PASSPORT(以下、MMP)」です。

リュウグウコクでは、アバターたちの行動を自動学習し、それぞれの趣味・嗜好などに応じて情報を提供します。これにより、ユーザーは自身にとって有益な情報をアバター経由で受け取れるだけでなく、リュウグウコク内にある個々のメタバースでそれらの情報を活用し、さらに深みのある体験ができます。この仕組みがAVRです。

また、MMPはこのアバターたちがリュウグウコク内に存在する各メタバースを自由に移動できるようにするための決済機能付き身分証明証。ID認証や決済をはじめ、NFT、アイテム、アバター記憶などの情報も登録でき、そうした情報を活用することでユーザーはメタバース空間で快適に過ごすことが可能になり、かつそれらの情報は現実世界でのサービスなどにも適用することで、生活の利便性が向上されます。

こうした世界を、国内の大手金融機関や各企業との協業で実現することにより、様々なサービスを安心・安全にユーザーへ提供できるメタバース基盤を実現することが目下の目標。そして将来的には、リュウグウコクの提供範囲を国外の企業や行政機関にも広げていき、「ジャパン・メタバース経済圏」をグローバルに広げていくことがプロジェクトの目的とされています。

企業規模も、今後の展望もスケールが大きいこの取り組み。運営側は、初夏を目途にメディア発表会を予定しているとしつつ、「今後、本構想にご賛同いただく企業を広く募り、ジャパン・メタバース経済圏を拡げていきます」とコメント。今後の動向から目が離せません。

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大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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