さいたま市の不登校生徒支援で「3D教育メタバース」

NTT東日本とNTTスマートコネクトは、さいたま市が推進する実証事業の一環として、不登校の児童生徒に新たな学びの機会を提供する目的で、NTTスマートコネクトが開発した「3D教育メタバース」を導入したと発表しました。

NTTスマートコネクトが開発した3D教育メタバースは、教育環境に特化したメタバースサービスです。このサービスは、オンライン教育の利点を活用し、場所に依存しない教育体験を提供することを目指しています。

実際の教育現場を模した「教室」「集会所」「面談室」などの空間が仮想空間内に設定されており、授業、進路相談、全体集会などをスムーズに行うことができます。仮想空間内でのアバターを用いたコミュニケーションにより、心理的ストレスの軽減、自己表現の促進、他者との交流が容易になることが期待されています。

文部科学省が今年3月に発表したデータによると、日本国内で約30万人の小中高生が不登校で、そのうち約4.6万人は90日以上学校に通わず、専門機関での相談や指導を受けていない状況です。

こうした状況の中、さいたま市教育委員会は2022年4月に「不登校等児童生徒支援センター(Growth)」を開設し、ICTを活用した学習支援や体験活動を通じて不登校生徒を支援しています。この取り組みを通じて、知識習得だけでなく、「オンライン上での居場所や交流の場を提供し、仲間との学び合いを促進することの重要性」を認識しているとのこと。

これらの課題に対応するため、さいたま市が推進する実証事業の一環として、不登校の児童生徒に新たな学びの機会を提供する目的で3D教育メタバースが導入されました。

3D教育メタバースのイメージ

今回の取り組みで導入された3D教育メタバースは、探究学習、アクティブラーニング、他校との交流授業などに活用できるよう設計されています。

教室や集会所、小ルーム(面談室)、アクティブラーニングルームなど、教育に特化した仮想空間を提供しており、授業、全体集会、グループワーク、面談など、学校特有のさまざまなシーンでの利用が可能です。

さらに、メタバース特有の3Dオーディオによる臨場感のある会話、翻訳を含む音声の自動テキスト化と吹き出し形式での表示など、充実したコミュニケーション機能を備えています。また、音声や映像のログ保存による出席確認、児童生徒の活動状況の振り返り、テキストチャットの不適切な表現フィルタなど、仮想空間での学びの場として適したサービスとなっています。

取り組みの実施期間は、2024年3月31日までの予定です。

NTTスマートコネクトは今回の取り組みについて、「今は孤独な環境にいる不登校の児童生徒が仮想空間でつながることで、同じような悩みや環境にいる仲間の存在を感じ、アバターによるコミュニケーションを通じて学びあえる新たな学び舎を築くことで、誰一人取り残されない教育を実現し、自分の力で社会的に自立していける支援をめざしていきます」とコメントしています。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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