人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」付きのシャンパンが250万ドル(記事執筆時のレートで約3億4,500万円)で販売され、シャンパンの取引において過去最高額を記録したことがわかりました。
BAYCはアメリカのスタートアップ、Yuga Labsが制作するBored Ape(退屈な猿)をモチーフにしたデジタルアートによるNFTコレクション。コレクションは1万個のBored Apeを集めたもので、表情、頭の形、服装など170以上の特徴的なパーツをプログラムで組み合わせて生成。同じ見た目のものは存在せず、ラッパーのスヌープ・ドッグや歌手のマドンナが所有していることでも知られています。
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今回販売されたのは、ロンドンのシャンパン販売業者シャンパーニュ・アベニュー・フォーシュがオークションに出品したプルミエ・クリュのマグナムボトルで、「マグナム 2.5」と呼ばれるシャンパン。購入者には、ボトルに描かれているBAYCのキャラクターと同じNFTが付与されます。
BAYCのNFT付きシャンパンを250万ドルで購入したのは、イタリア人の投資家兄弟Giovanni Buono氏と Piero Buono氏。兄のGiovanni Buono氏はシャンパンの購入にあたり、「飲むつもりはない、これは良い投資になるだろう」としたうえで、「投資の世界は大きな混乱が起き、地政学的な状況は極めて急速に変化している。富裕層の人々はしばらくの間、自分たちの財産を保管する場所を探すだろう。それはNFT付きのシャンパンかもしれない」とコメントしています。
なお、マグナム 2.5の中身はヴィンテージシャンパンと呼ばれる2017年製造のプルミエ・クリュですが、プルミエ・クリュは1級畑で栽培されたブドウで造られたシャンパンのブランド名で、安価なものだと2,000円前後から購入することができます。
シャンパーニュ・アベニュー・フォーシュは、高額なシャンパンを専門に扱っている販売業者です。代表のShammi Shinh氏によると、過去販売されたシャンパンの中で最高額の記録を持っているのは、同社が2013年に販売した18金ホワイトゴールドのラベルに19カラットのダイヤモンドを埋め込んだ「グー・ド・ディアモン」の190万ドル(当時のレートで約2億3,000万円)とのこと。
グー・ド・ディアモンは映画『ジャスティス・リーグ』のラストシーンに登場し、ジェシー・アイゼンバーグ演じる悪役レックス・ルーサーによって振る舞われました。
今回マグナム 2.5が250万ドルで販売されたことにより、グー・ド・ディアモンの190万ドルを超え、シャンパンの取引において過去最高額を記録しました。しかし、250万ドルという価格はBAYCの価値に左右されるため、今後価値が下落することも考えられます。
NFTやダイヤモンドの埋め込みなど他のアイテムが伴わない純粋なシャンパンだけの事例としては、1998年に難破船から引き揚げられた「エイドシック1907」が27万5,000ドル(当時のレートで約3,000万円)で最高額になっています。
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