NFTマーケットプレイスのOpenSeaが、NFTを効率的かつ安全に取引するため、売買プロトコルを「Seaport(シーポート)」に移行することがわかりました。
OpenSeaは、世界最大手のNFTマーケットプレイス。アートや音楽など取引できるNFTの種類が多く、「CryptoPunks(クリプトパンクス)」や「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」といった有名なNFTコレクションがラインナップしていることで知られています。
今回発表された売買プロトコルSeaportへの移行は、決済方法の多様化やガス代と呼ばれるNFTの取引時に発生する手数料の削減など、ユーザーにとって多くのメリットがあるそう。
これまでOpenSeaで販売されているNFTの決済方法は、イーサリアム(ETH)などの暗号資産(仮想通貨)決済のみでしたが、Seaportでは購入者が所有するNFTと暗号資産を組み合わせて、任意のNFTを購入できるようになります。
例えば、100ETHのNFTを暗号資産60ETHと40ETH相当のNFTで購入するといったように、NFTでNFTを購入できるようになりました。
また、新規ユーザーの口座開設手数料をなくし、ガス代を約35%節約できるようになったとのこと。OpenSeaが発表している2021年のデータをもとに計算すると、ガス代を節約することで、合計4億6,000万ドル(記事執筆時のレートで620億円)以上のコスト削減になります。さらに、NFTのオークション時に作成者へ投げ銭機能も追加されています。
さらに、NFTコレクション内の全てのアイテムにオファー(価格交渉)ができる「コレクションオファー」と、特定の属性を持つアイテムに対してオファーができる「トレイルオファー」も利用できるようになりました。なお、トレイルオファーは上位100の人気コレクションでのみ利用が可能だそう。
もうひとつ、Seaportの注目するべきメリットにNFT取引時のセキュリティ向上があります。
OpenSeaは月間20万人を超えるアクティブユーザーを抱え、2022年1月9日には1日あたりの過去最高取引高となる2億6,100万ドル(当時のレートで約3,100億円)を記録。盛り上がりを見せている一方、フィッシング攻撃が続発しており、2022年2月に170万ドル(当時のレートで約2億円)相当のNFTが不正入手される詐欺被害が発生していました。
これは当時OpenSeaが使用していた売買プロトコル「Wyvern(ワイバーン)」のアップデート最中に発生したフィッシング攻撃で、修正しようとしていた白紙状態の売買契約書を送付できるという、例えるなら白紙の小切手を送りつけられる仕様を利用し、被害者に署名だけ行わせて攻撃者側で落札額をゼロに設定するという手法が採られたもの。
売買プロトコルをWyvernからSeaportに移行することで、NFT取引時における署名プロセスが強固になり、不正入手が防げるとされています。
2022年6月、OpenSeaは公式ブログで「プラットフォームの信頼性と安全性の強化に力を入れている」と述べ、疑わしい取引を自動的に非表示にする新機能を発表。ユーザーを詐欺被害から守るため、正当な取引のみ表示されるようになりました。
Seaportへの移行と新機能の導入により、ユーザーはこれまで以上にNFTを効率的かつ安全に取引できるようになったと言えるでしょう。
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- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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