2021年9月に営業を終了した神奈川県三浦市の水族館「京急油壺マリンパーク」がVR空間上でリニューアルオープンしました。日本初の水族館のバーチャルへの移転プロジェクトとして話題となっています。
京急油壺マリンパークは1968年に、当時「さかな博士」と多くの人々から慕われていた魚類学の権威である末廣恭雄氏(初代館長)の構想の下、東洋一の水族館として神奈川県三浦市小網代に開館。当時としてはめずらしく「魚類の持つ意外な能力や感覚に関する研究成果を展示する水族館」という教育普及をコンセプトに取り入れ、現在の水族館の原点とも言える施設として人気となりました。
しかし建物や設備の老朽化と、来館者減少が理由で2021年9月30日をもって閉館。53年の歴史とともに、浦半島唯一の水族館ということもあって、多くの人から惜しむ声がありました。跡地は現在キャンプパークになり、コロナ禍のキャンプ需要などもあって人気となっています。
今回、その京急油壺マリンパークが日本初の水族館のバーチャル移転プロジェクトとして、バーチャル上でリニューアルオープンしました。「VR京急油壺マリンパーク」と名付けられたこのプロジェクトは、53年の歴史ある建物とその展示、これまで来場した人々の想い出、施設のこれまでの歴史をデジタル空間に再構築してデジタルアーカイブするもの。
2021年夏頃に京急油壺マリンパークが閉館するニュースを知った一般社団法人路上博物館が、デジタルアーカイブプロジェクトとして京急油壺マリンパーク側に企画を提案。京急油壺マリンパークを運営する京浜急行電鉄と路上博物館によるクラウドファンディンが実施されていました。
VR京急油壺マリンパークは3種類のバーチャル空間上に構築された施設で構成。「VR水族館『魚の国』」と「VR屋内大海洋劇場ファンタジアム」は、京急油壺マリンパークにある施設を三次元計測等の技術で再現したもので、「想い出館」は建設中の様子の写真やクラウドファンディングの支援者の写真やメッセージなどが展示された資料館となっています。
VR水族館「魚の国」では、当時東洋一の水族館として開園した水族館の中を再現。展示されていた水槽の再現や、世界的にも珍しい巨大サメ「メガマウス」の剥製標本の3Dモデルが展示されています。またVR屋内大海洋劇場ファンタジアムでは、イルカやアシカのショーをしていた劇場をバーチャル化し、京急油壺マリンパークの最終日の公演の動画を見ることができます。
クラウドファンディングに伴い新たにデザインされた空間「想い出館」では京急油壺マリンパークの建設当時の貴重なアルバム資料や過去のパンフレットなどのアートワーク、クラウドファンディング支援者の写真、メッセージが展示され、京急油壺マリンパークの積み重ねてきた歴史や想い出を追体験することができます。
路上博物館は「インターネット上でVR京急油壺マリンパークが公開されることによって、これまで水族館が遠くてアクセスが難しかった地域の子供達がバーチャル遠足で利用したり、介護が必要な方や身体に障碍のある方などの移動が困難な人が気軽に訪れたりすることができるようになります」と述べています。
VR京急油壺マリンパークは2022年8月25日(木)から公開され、PC(WEBブラウザ)・スマートフォン・VRデバイスからアクセス可能で、入場は無料となっています。
VR京急油壺マリンパーク
https://rojohaku.com/vraburatsubo/
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