現代アーティストのトム・サックス(Tom Sachs)が展開しているNFTコレクション「ロケットファクトリー(Rocket Factory)」の所有者に、ナイキとのコラボスニーカー「ジェネラル・パーパス・シュー(GPS)」が発売当日の10日から24時間限定で無償提供されました。
トム・サックスは、アメリカの現代アーティスト。“既製品からの手作り”をテーマに、身近にある簡素な素材を使用したDIY風のアプローチで作品を生み出し、これまでプラダのシューズボックスを使用してつくった便器「Prada Toilet」やエルメスの包装紙でマクドナルドのハンバーガーセットを再現した「Hermes Value Meal」などを発表しています。
NFTアートにも積極的に参加していることでも知られるトム・サックスによるNFTコレクション「ロケットファクトリー」は、購入者がロケットの先端、胴体、尾翼からなる3つの構成要素から好きな組み合わせを選び、独自のNFTを生成できるのが特徴。オリジナルのNFTが組み上がると、同氏がデザインを模した小さな実物のミニロケットを制作してくれます。
2022年3月には、アクセサリーブランドのティファニーがNFTマーケットプレイスOpenSeaで販売されているロケットファクトリーコレクションから、「Okapi」と称された作品を115ETH(購入時価格で約4,700万円)で購入。公式SNSのアイコンをOkapiの画像に変更し、話題になりました。
今回、ロケットファクトリーの所有者に無償提供されるスニーカー「GPS」は、トム・サックスとナイキのパートナーシップによるコレクション「ナイキクラフト」の最新作です。対象となるのは、過去発売されたナイキクラフトの製品とロケットファクトリーを所有している「ナイキクラフトクルー」と呼ばれるメンバー。
GPSは、日常生活を念頭に置いたスニーカーとして製作され、機能や素材は適切な価格の上で、快適性、サポート性と、履き心地が充分に感じられることを軸に選ばれており、完成までに10年の年月がかかったそう。
トム・サックスは製作にあたり、「どんな人にも履いてもらえる作品をつくりたいという思いで、ナイキとの取り組みを開始しました。このGPSは、どんな時でも使用できるスニーカーとして製作。日常生活のツールとなる広く一般に向けたスニーカーです」とコメントしています。
GPSが発売された6月10日から24時間以内に、ロケットファクトリーの公式サイトからスニーカーのサイズと配送情報を入力することで対象者には無償提供が行われました。トム・サックスは2022年4月にも、ロケットファクトリーの所有者に自身が製作したウエストポーチの無償提供を発表しています。
トム・サックスとナイキのコラボスニーカーは二次流通市場で人気が高く、以前発売された定価200ドル(当時のレートで23,760円)の「マーズヤード 2.0」は数十万円以上の価格で取引されました。今回発売されたGPSも注目度が高く、定価110ドル(記事執筆時のレートで約14,700円)に対し、リセールアプリでは100万円以上の値がついています。
リアルアイテムをNFTの特典とするのは、ファッションアイテムを中心に多くみられますが、通常は購入時の特典となることが多いため、今回のようにすでに発売済みのNFTコレクション所有者に、追加でリアルアイテムが送られるのはまだ少ないケースです。
NFTアイテムは自己顕示を満たすアイテムになっているパターンも少なくなく、徐々に懐疑的な声も聞こえてきていますが、所有することでさらなる資産価値のあるアイテムを得られる今回のような事例が増えていくと、より魅力が増すかもしれません。
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- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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