Swandive、ウォレットを意識せずにNFT配布「2.99」ローンチ

企業のMVP開発支援を手がけるSwandiveは、ウォレットの存在を意識することなくNFTを配布できるツール「2.99」をローンチしました。

Swandiveは、スタートアップ企業に向けて事業アイデアのブラッシュアップ、戦略・戦術の立案、開発などを一気通貫でサポートする企業。こうしたサービスだけでなく、スキーヤー・スノーボーダーを対象としたコミュニティの「Skier DAO」や、読書を通して企業の人材育成を支援するサービス「OutputStock」など、ユニークなプロダクトを展開しています。
「知恵とITを駆使して効率的に生きられる社会を作る」というビジョンを掲げる同社がこのサービスで解決したかったのは、Web3の世界が抱えている課題です。

Web3市場の急激な拡大に伴って、各企業はNFTをマーケティングに活用しようと動きを活発化させてきました。しかし、NFTを取り巻くムーブメントに関わる人は、Web3について一定以上のリテラシーを持っているケースがほとんど。マーケティングの効果も限定的だといえます。

こうした現実に対して、同社は「ウォレットの存在に原因がある」と考えました。実際、NFTビギナーにとってはニーモニックフレーズ、秘密鍵といったワード自体に「とっつきにくい感」があり、それを理解した上で実際にウォレットを作ってNFTを取得する準備を始めるうちに挫折してしまう人もいることでしょう。

それと同時に、NFTを発行する側にも、「ブロックチェーンとは何か?」「NFTはどのように生成されるのか?」「そしてどう流通するのか?」といった知識が求められます。NFTと正しく付き合おうと思ったら、最低限のリテラシーは必要。そのハードルを一気に引き下げようとSwandiveが開発したのが2.99です。Web2でもWeb3でもない、でもギリギリWeb3に寄ってきているという微妙なニュアンスがこの名称に込められています。

2.99では、できるだけWeb3技術が見えないようにシステムを動作させているため、NFTを受け取る側は従来のWeb体験があれば抵抗感なくNFT取引に参入できます。発行側も同様で、使い慣れている従来型のアセットがあればNFTを発行可能な仕様になっています。

その他、NFT発行側は画像を用意するだけで、最短ならその日のうちにNFTが配布可能になるという“超クイックスタート”も特徴の1つ。マーケティングにおいてNFT発行時の手間がボトルネックになることがなく、発行者はより重要な企画や立案、計画の実行などの業務に注力できるようになります。

また、「2.99verse」というプラットフォーム(コントラクト)も用意されており、ここで複数のキャンペーンを走らせることも可能。発行者が異なるキャンペーンを連携させることもでき、NFTユーザーにとっては活用の幅が広がります。もちろん、他のプラットフォームを利用することも可能とのことです。

この2.99、同社が想定している利用シーンには、マーケティングで行う“NFT配布キャンペーン”や“スタンプラリー”があり、さらにユーザーを限定してサービスにプレミアム感を持たせる際の“会員証”機能や、2.99verseを活用して異なる発行者を連携させ、NFTによる“ポイントカード”を実現することもできるとされています。

今回のサービスローンチについて同社は、「従来のウェブサービスのアセットを活用しつつWeb3をより身近な存在にする架け橋として機能させることで、Web3技術を活用したビジネスの可能性を拡大させていく」とコメント。テクノロジーが進歩する中、前だけを見るのではなく、後ろを振り返るのでもないその姿勢から、面白いことが起きそうな予感がします。

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大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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