ダミアン・ハースト(Damien Hirst)とは/STRAYM

『The Dead (Chocolate Oriental Gold Skull)』死から芸術を作り出すアーティスト【STRAYM】

Damien Hirst(ダミアン・ハースト)はイギリスの現代アーティストでYBAs(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の代表格で現在もアート界の第一線で活躍し続ける最も有名なアーティストの一人です。

死の中に生を感じさせるアート作品で多くの方に知られています。

サメをホルムアルデヒドのタンクに沈めた作品『生者の心における死の物理的不可能性』や、親牛と子牛をを真っ二つにしてホルマリン漬けにした作品『母と子、引き裂かれて』などといった衝撃的な作品が多く美術界に新たな作風を生み出しました。

他にも『死』の象徴である頭蓋骨をモデルにしたアート作品を多く描いています。

ダミアン・ハーストはビジネスアーティストとしても世界に名をはせており、その資産額はなんと2億1500万ポンド、日本円に換算すると約315億にもなります。

今回はダミアン・ハーストと『The Dead (Chocolate Oriental Gold Skull)』について紹介していきます。

目次

Damien Hirstとは

出典: https://www.theartnewspaper.com

1965年イギリスのブリストルで生まれ、1984年にロンドンに移住、建築現場で働いた後、1986年から89年までの約2年はロンドンのゴールドスミス・カレッジ美術学部にてファインアートを学びます。

在学中の1986年、現在も彼の代表作の一つとなっている『スポット・ ペインティング』シリーズの制作を開始。

1992年にロンドンのサーチ・ギャラリーで『生者の心における死の物理的不可能性』を発表しました。

ターナー賞に初ノミネートされ、YBAsの一人として注目を集め始めます。

1993年にイギリス代表としてベネツィア・ビエンナーレに出展した牛の親子の体を断面化した『母と子、引き裂かれて』は1995年に現代アート界で最も重要な賞の1つとされるターナー賞を受賞しました。

これをはじめ90年代に発表した巨大なサメ、羊などをホルマリン漬けにしたシリーズ『Natural History』はまさにセンセーショナルな作品です。

その挑発的な作品等がアート界はもちろん多くの人に衝撃を与え、表現の新たな可能性の到来を確信させました。

このような作品と並行して、合理的でシステム化を徹底した作品を生み出すことでも注目集めるます。更に錠剤をモチーフとしたドット絵画シリーズの量産します。

出版事業、レストラン経営などビジネス領域にも進出し、2007年には『Art Review』によるアート界有力者番付1位に選ばれます。

同年、死の象徴である骸骨に8601個の生を示すダイヤを散りばめた作品『神の愛のために』を発表し、これは当時120億円で販売されたとされています。

2012年、テート・モダンで大回顧展が開催されました。

2015年には同じブリストル出身のバンクシーが企画したアートプロジェクト『ディズマランド』に参加し、わずかな期間で約15万人の来園者と35億円の経済効果をその地にもたらしました。

2017年の大規模個展『Treasures from the Wreck of the Unbelievable』(パラッツォ・グラッシ、ヴェネチア)では、東アフリカの海底に沈んだ架空の難破船『アンビリーバブル号』から発掘した宝物を展示するという壮大なコンセプトが話題を呼びました。

誰にも真似できないスケールの作品を生み出し、進化し続けるダミアン・ハーストの活躍はこれからも目を離せないでしょう。

『The Dead (Chocolate Oriental Gold Skull)』について

出典: STRAYM (ストレイム) ※画像の無断転載・使用禁止

ダミアン・ハーストの作品の多くは『死』を扱っているものですが、『死』すらも美術として昇華させ、新たな芸術の価値観を生み出し輝かせるのがダミアン・ハーストです。

その一つの表現方法として頭蓋骨を用いた作品は今まで数多く発表されています。

中でも代表的な作品となった2007年に制作された18世紀の人間の頭蓋骨をかたどったプラチナに8601個の純ダイヤモンドで敷き詰めた彫刻作品は当時120億円で販売された事でも話題になりました。

2009年に発表された本作品は『The Dead(Chocolate Oriental Gold Skull)』という作品名でED.15という少数で、チョコレート色がベースでゴールドの箔押しがとても美しいアーカイバル版画の貴重な作品となっています。

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