SMBC日興証券とハタプロがWeb3活用で協業「Proof of Japan」設立

画像はイメージです

SMBC日興証券とハタプロは、世界における日本の文化・芸能の競争力向上と伝統の維持、及びそれらの発展に貢献している人々への支援を目的に、Web3を活用してグローバルコミュニティを形成する会社「Proof of Japan」を設立したと発表しました。

SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループに属する証券会社。前身を含めると創立は大正時代にまでさかのぼる100年企業であり、国内大手証券会社の一角として位置付けられています。

また、ハタプロは「AIとIoT技術で街の日常を進化させる」をコンセプトに掲げる総合ロボティクス企業。ミミズクの形をした汎用小型AIロボット「ZUKKU」や、リキュールを自動で醸造できるIoTデバイスなどユニークなプロダクトを手がけており、大企業との協業や産学連携などにも積極的に参入しています。

この2社がタッグを組んで新会社を発足させた背景には、日本独自の文化が持つ価値をもっと高めたい、という願いがあります。近年は世界中で評価されているマンガやアニメといったサブカルチャーをはじめ、工芸や芸能といった伝統文化も日本の貴重な財産です。そうした有形・無形のものをWeb3やAIといったテクノロジーと掛け合わせることでさらに大きな経済的価値を創出し、新市場の形成に寄与していくというのが狙いとなっています。

これらの伝統が今まで続いてきた歴史の中では、ギャラリーやサロンといったクローズドコミュニティが文化の活性化に大きな役割を果たしてきました。現在は、それに代わるものとしてデジタルでのコミュニティを容易に形成することができ、こうした場では地理的な制約を受けずにリアルタイムでの情報交換や共有が可能です。特にブロックチェーン上に築かれるWeb3の世界は、コミュニティとの親和性が高いと言われています。

ここに価値を見出した両社は、互いの知見やリソースを提供し合い、Web3の技術を活かした次世代型サロンの構築を目指して、日本文化の発展に寄与するグローバルコミュニティを形成するためのProof of Japanを立ち上げた、というのが設立までの流れです。

SMBC日興証券とハタプロの協業は今回が初ではなく、文化庁移転記念事業として実施されたプログラム「NEO KYOTO NFT ARTs」ですでに実現しています。このプログラムは京都市内の学生が未来の京都をイメージしたNFTアートを作成・展示・販売するというもので、SMBC日興証券は企画やNFTに関するノウハウを提供、ハタプロはオンラインコミュニティやメタバース空間の構築、NFT発行などを担当しています。

こうした下地もあって実現したProof of Japan。その具体的な活動予定としては、日本の文化・芸能を支援するグローバルなWeb3コミュニティの構築と会員制サービスの提供、日本の文化・芸能を次世代に伝承するワークショップの開催、次世代の日本の文化・芸能を担う人材の支援といったものが挙げられており、ここでも双方の強みを活かした協業を行っていくようです。

今後の展望について両社は「SMBC日興証券の金融とイノベーション領域でのノウハウと、ハタプロがAIロボティクス企業として培った高度な技術力や、大企業や自治体との豊富な合弁事業の経験をベースに、様々な外部の企業や個人とオープンイノベーションを行う」とコメント。異業種にありつつ同じゴールを持つ2社がどのような変革を起こしてくれるのか、今後の動きに要注目です。

あわせて読みたい
FlipNine、日本文化継承NFTプロジェクト「狼煙」発表 インターネット広告事業を展開するFlipNine(フリップナイン)は、日本文化の継承を目的としたNFTプロジェクト「狼煙」を発表しました。 FlipNineは、「人生というゲー...

投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次