三菱UFJ信託銀行ら「国産ステーブルコイン」に関する共同検討開始を発表

三菱UFJ信託銀行、Progmat, Inc.、STANDAGE、Gincoの4社は、「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用して発行される「国産ステーブルコイン(略称国産SC)」の貿易決済への活用に向けた共同検討を開始したと発表しました。

全世界の貿易取引総額は約2,800兆円で、約4割にあたる約1,100兆円が新興国との貿易で占めているのが現状です。現在はSWIFT(国際銀行間通信協会)を基盤とした銀行経由での米ドル決済が主流で、課題はあるものの、先進国同士の取引であれば相対的に問題なく行うことができています。

しかし、対新興国貿易の場合、1,000兆円を超える取引規模がありながら、様々な要因から外貨規制や、信用状取引の利用制限といった問題で、スムーズな米ドル決済を行うことができず、送金に数カ月もの時間がかかったり、多国・多数の銀行を経由するため手数料が嵩んだりと、不平等や不利益を抱えたまま、現在も世界中で取引が行われているのが現実です。

発表によると、STANDAGEが2017年より開発を手掛けるブロックチェーンを活用した貿易決済システムと、「Progmat Coin」基盤との連携により、安全・迅速・確実な国際企業間決済が実現可能となるとのこと。今回の共同検討を通じて、1,000兆円を超える市場規模がありながら、外貨規制や信用状取引の利用制限等により、公平な米ドルベースの取引が困難を極める対新興国貿易において、2024年内に本邦初となるユースケースの創出を目指すとしています。

三菱UFJ信託銀行およびProgmatは、2023年6月施行の改正資金決済法に即した形でSCを発行するためのインフラとして、パーミッションレス(パブリック)ブロックチェーン利用を前提とした「Progmat Coin」基盤の開発と実務の構築を主導しています。「Progmat Coin」基盤を用いた様々なブランドの国産SCは、取り扱う仲介者が必要なライセンス登録を完了し次第、発行・流通が可能になる予定です。

具体的な取り組みとしては「Progmat Coin」基盤を活用した国産SCの貿易決済への活用実証や、貿易決済(事業者間)利用に特化した新ウォレットの開発などになる模様。新ウォレットについては、2024年春頃までにβ版の完成を見込むと共に、2024年内の正式版提供を目標としています。

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大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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