国税庁、NFTに関する税務上の取り扱いを取りまとめた書類を公開

国税庁がNFTに関する税務上の取り扱いについて、質疑応答形式で取りまとめた書類を発表しました。今回発表された内容には、購入したNFTを第三者に転売した場合の所得税や、NFTを譲渡した場合の譲与税や相続税の取り扱いなどが記載されています。

今回発表されたのは「NFTに関する税務上の取扱いについて」と題した書類。今年1月1日現在の法令・通達などに基づき、NFTに関する税務上の一般的な取り扱いについて、質疑応答形式でまとめたものです。

目次

NFTの転売で得た利益は所得税の課税対象に

注目する内容としては、NFTを作成して第三者に販売した場合(一次流通)や、NFTを購入した人がそれを第三者に転売する場合(二次流通)における税務上の取り扱いについての記載です。今回の発表では、その利益が所得税の課税対象になるとしています。

またこれらは所得税法上の「デジタルアートの閲覧に関する権利の譲渡」に区分されるとのことで、取引から生じた所得は一次流通で「雑所得または事業所得」、二次流通では「譲渡所得」として課税されます。いずれの場合も、一般的に収入から経費などを差し引いた額に課税されます。

なおNFT作成者の経費として認められるのは、デジタルアートから「NFTを作成するために必要とした費用」で、デジタルアート自体の制作費は含まれないとのことです。

また国内外で流行するブロックチェーンゲーム取引の損益計算については、「ゲーム内通貨の取得や使用が頻繁におこなわれ、取引の都度評価は複雑」と指摘。ゲーム内通貨基準で所得金額を計算し、年末に一括で評価する「簡便法」の雑所得計算が認められるとしています。

ブロックチェーンゲームで得た報酬は、原則として雑所得に区分され、所得税の課税対象になりますが、報酬として得たゲーム内通貨がゲーム外で資産と交換できない場合は、課税対象にはならないと記載されています。

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NFTの無償譲渡は課税対象になることも

NFTの取引では、無償で譲渡されるケースもあります。このことについても記載があり、個人がNFTを第三者に無償で譲渡した場合、譲渡した側は課税対象にならないとしています。一方で譲渡された側は課税対象になることがあるとしています。また法人は原則、課税対象になるとのことで、企業側は無料譲渡において注意しておく必要がありそうです。

国税庁は贈与された側について「経済的価値のあるNFTを贈与あるいは相続により譲渡された場合、内容や正式、取引実態などを考慮し、その価値を個別に評価したうえで贈与税や相続税が課されることになる」と述べています。

不正アクセスで消失した場合は雑損控除に

近年ではNFTの盗難被害の報告が相次いでいますが、このことについても今回の発表では記載があります。

「第三者の不正アクセスにより購入したNFTが消失した場合」には雑損控除などの対象になと記載があり、「そのNFTが生活に通常必要でない資産や事業用資産等に該当せず、かつ、そのNFT の消失が、盗難等に該当する場合には、雑損控除の対象となります。そのNFTが事業用資産等に該当する場合には、その損失について、事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます」としています。

雑損額は、対象となるNFTが消失した時点の時価、時価が不明な場合は「購入金額として差し支えない」とのこと。

今回発表された内容はあくまでも一般的な取り扱いについての回答で、書類には「個々の具体的な取引については、回答と異なる取扱いになる場合がある」と記載されており、確定申告時の計算方法の詳細は、専門家および国税庁への確認が必要になります。

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大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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