凸版印刷、メタバース「デジタルツイン・ワールドトリップ」発表

総合印刷大手の凸版印刷は、リアル空間と仮想世界を自由に行き来できる「デジタルツイン・ワールドトリップ」を発表しました。

凸版印刷は、1900年創業という歴史を持つ総合印刷会社。国内では様々な印刷技術のパイオニアとしても知られ、マーケティングやプロモーションなどの面でも圧倒的なケイパビリティを有する企業です。近年はVR/ARやサイネージなど先端技術の活用にも力を入れており、そのノウハウを注いで開発されたのが、デジタルツイン・ワールドトリップです。

このサービスが誕生した背景には、コロナ禍の影響がありました。コロナの感染拡大と共に、ビジネスや教育、日常生活においてもリモートでのコミュニケーションが広まり、驚くべき速さで社会に定着しました。現在、感染が落ち着きつつある中で、リアルでのコミュニケーションや実地体験、見学という動きに戻っていく流れが見られますが、仮想空間やリモートを活用したオンラインコミュニケーションは今後も必要だとされています。

そうした社会の動きに対し、同社はリアル空間と仮想空間をより高度にリンクさせ、ユーザーが遠隔地からでも現地・現物の魅力をリアルに体験できるサービスが必要だと考え、開発に着手。今まで仮想空間だけでは分かりづらかった部分を映像中継で繋ぎ、現地をリアルに体験できるデジタルツイン・ワールドトリップが誕生しました。

このメタバースサービスは、仮想空間で現地をリアルに再現するデジタルツインの創出に加え、それだけで伝えきれない部分は現実空間のリアルタイム中継を組み込み、より体験の質を高めようとするもの。ユーザーはこの空間にアクセスし、アバターとなって自由に動き回ることができます。
さらに、現地のカメラや分身ロボットなどから得られるデータを元に、現実と同じ位置にアバターを表示させることも可能。ユーザーが、現地では分身ロボット、仮想空間ではアバターとして活動するというユニークな遠隔体験を実現しています。

様々な場面で活用できそうなデジタルツイン・ワールドトリップ。同社はその特性を活かした利用用途として、工場見学やライブコマース、不動産販売、文化遺産や観光名所巡りといったものを例示。いずれも、ユーザーの参加促進や、サービスの裾野の拡大、施設や文化遺産の保護、バリアフリーなど様々な課題を同時に解決できるものだと言えるでしょう。

ちなみに、デジタルツイン・ワールドトリップは、NTT西日本が全国4拠点で展開している共創空間の1つ「LINKSPARK大阪」で、両者協業での実証実験が進行中。9月までの半年間で実用性を検証しつつ、サービス評価やニーズの獲得などを行うとしています。

凸版印刷は、この実証実験を経て2023年10月の正式サービス開始を目指すとしており、「安全性・リアリティ・信頼性を備えたプラットフォームの提供を通じ、誰しもが能力を発揮できる、格差なきスマート社会における新しい暮らしとビジネスの創出を目指しています」とメッセージ。このサービスにかける意気込みを示しています。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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