デジタル人民元とは? 中国で推し進められる法定通貨の謎

2021年9月末、中国国内での暗号資産(仮想通貨)取引の全面禁止令が発表されました。

これは国内の取引所にとどまらず、中国国内ユーザー向けに中国国外から取引口座を開放している会社へも中国ユーザーへの口座開設を行わない様に通達がなされており、事実上の暗号資産完全禁止という措置が盛り込まれています。

この背景にあるのが中国が現在推し進めているデジタル人民元の発行です。

では、デジタル人民元とはそもそも何なのでしょうか?

現実にある貨幣が法定通貨としてデジタル側に入っていくのは初の事例となりますので、注意深く観察していきましょう。

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デジタル人民元とは

デジタル人民元とは中国の法定通貨である人民元をデジタル化したもの。

開発着手は2014年と言われており、2020年にはデジタル通貨の試験運用を行っています。

デジタル人民元の通貨としての正式な発表は2022年2月の冬季オリンピック合わせで動いていると言われ、実際にそれをにおわす報道も増えてきました。

そもそもデジタル通貨の法定通貨への採用は、この少し前にエルサルバドルで発表されたビットコインを法定通貨へ引き上げたことが最初となります。

しかし今回は既存の法定通貨をデジタル化する前提で動いており根底が異なっています。

実態としては、今まで使っていた人民元をデジタル化しているだけなので、取り扱いが大きく変わるわけではありません。

少なくとも、一般市民が感じるような大きな違いを見ることはできないでしょう。

しかし、現在取引されている暗号資産との大きな違いは、国家側から承認を得て発酵されている通貨であるということです。

なぜわざわざデジタル化するのか

元々デジタル決済の発達や拡充と言えば、中国やバルト三国の需要が顕著で現金決済重要が落ちる一方で、急激にデジタル決済が拡大し、各国もそれに追従しています。

日本国内だとPaypayなどが有名ですね。また、各コンビニやショッピングモールもサービスとして自社の支払いサービスを発足する傾向が非常に強くなってきました。

こういった便利なデジタル決済自体は世界でも比べてもかなり発達・普及している中国国内で、なぜわざわざ法定通貨をデジタル化しなければならないのでしょうか?

それは、貨幣の流通量と需要確保に狙いがあるからです。

現在世界の流通貨幣として認識があるのはやはり米ドルです。

あらゆる分野で米ドルによる取引が多く行われ、FXの建て玉なども米ドル絡みの物が非常に多く作られています。

今回の中国の動きはこうした米ドル一強となっている市場をこじ開けることを目的としています。

流通している通貨として世界中で共通認識が作られてしまえば、結果的にその通貨無しでは成り立たない世界ができます。

中国人民元をそのように世界の共通通貨として成長させ貨幣としての価値を担保していくことが、課題となっているのです。

規制緩和の期待

法定通貨をデジタル通貨として流通させることで、滞在外国人などの取引窓口が広がる可能性もあり、旅行や短期滞在などでの支払い可能領域を広げる可能性も期待されています。

他方、実際にはまだ行われていない決済方法ですから流通量や規制、データ改ざんによる可能性などを厳しく見守っていく必要があり、それらを含めて慎重に対応をしていかねばなりません。

日本国内ではまだまだ暗号資産の流通もなく、円がデジタルへの共存を図っていくという表立ったニュースもありませんが、今後乗り遅れていった時にどのような影響が出るかは全くの未知数です。

ファーストペンギンの中国が覇権を握るか、はたまた机上の空論で終わってしまうのか。

今後も注目です。

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