株を始めるにはいくらから? 頭金はどれくらい用意すればいいのか【デイトレ初心者】

株式投資を始める前に一番気になるのは「資金をいくら持って始めるとどれくらい増やすことができるのか?」ということです。

始める資金は「10万円? 100万円?」もしくはもっとかかるのだろうか。

デイトレとしてやっていく場合はどの程度まで増やすことができるのか。すぐに50万円くらいなら増やせるのだろうか。

実際に資金を投入してみるまで本を読んでみても実感のわかない説明ばかり。

こちらの記事ではそんな投資初心者の方向けに疑問を解消していきます。

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デイトレードとスイングトレード

株というのは放置して上がるのを待つというタイプと、細かく売り買いをして利益を出していくタイプと、大きく2つの運用方法に分かれています。

スキャルピング・デイトレード・短期トレード・スイングトレード・中期トレード・長期トレード。期間や表現方法は様々ありますが、実は短期トレードより上の期間に関してはその定義があいまいです。

1か月を短期と表現する人もいれば、長期と表現する人もいます。

というのも昔はネット証券が無く、売買を行う際の手数料が高かったために、1年や2年どころではなく何年にも渡って株式を寝かせて株価が上がり含み益が大きくなったら売却するという手法が主流でした。

そういう人たちもいたため、世代や勉強した本などによって当然用語の感覚もズレてきます。

そしていわゆるデイトレーダーと表現される人たちが行っている手法はスキャルピング~デイトレードです。

これは最短数十秒~1日の間にすべての取引を終えてしまう手法で、1日のうちに何十、何百と売り買いを繰り返します。

1回の取引でドカンと稼ぐよりも1日の上下のうねりの中で「10円下がったから買い、10円上がったから売り」というように細かく利益を取っていくのです。

「でも、そんなに沢山の取引をして1回1回の手数料は大丈夫なのか?」という疑問が当然生まれると思います。

ネット証券口座では預り金の額に応じた優遇措置や元々『1日の取引合計額がいくらまでは無料』といった取り組みが入っている為、実は全体の手数料も非常に安く済み、それらを上手く活用する為複数の証券口座を活用したりする人もいます。

こうして時に何十何百件というトレードを短期間で行っていくのです。

スキャルピングとデイトレードが1日以下の範囲で取引を終えるのに対して、数日~数週間程度で売買をしていく手法をスイングトレードと言います。

スイングトレードでは「月内でこれくらい上がりそうだから買っておこう」もしくは逆に「今がてっぺん付近の値段だから空売りを入れておこう」などの考えを基に取引を行っていきます。

主に日足や週足を見ながら。短・中・長期それぞれの移動平均線やMACDなどを参考にして1週間~2週間程度の予測を立てて、値動きがありそうな銘柄に注文を入れていきます。

そして、ある程度の数字が出た時点で利益確定をしていくのです。

それ以上の保持は長期投資となり、見るべき観点が違ってくるので注意が必要となります。

スイングトレードは2週間程度で上下を繰り返していく銘柄にあった戦略と言えます。

昔の感覚にある『株は買ったら超長期で寝かせるもの』というのは、ネット証券が発達した現在とでは根本的に感覚が違うということです。

30万円のスタート資金はなかなか増えない

日本国内では株式の取引単位が100株からという1単元が決められており、例え1000円の銘柄であっても購入に際して10万円はかかってしまいます。

30万円の資金でスタートした場合そもそもお目当ての銘柄が買い付けできなかったり、小さい銘柄を2つ程度しか保有できないなどの縛りも大きいです。

また、2銘柄程度買った瞬間から含み損を抱えてしまい、塩漬けで資金が動かせなくなってしまったりと自由度も大きな制限があります。

これから上がると確信のある銘柄があったとしても、実際に効率よく買うことは資金力的に非常に難しいです。

例えば上がると確信のある銘柄が現在価格1600円であれば、100株を買い付けることができても200株の買い付けは不可能だからです。

細かい売買取引でお金を増やすことはできますが、通常この1000円前後の株で株価が100円動く可能性は非常に低く日に数銘柄。

手持ちの資金30万円を使ってフルに使って買い付け、利食いを行ったとしても利益確定が3000円以下ということもざらにあります。

例えすべての取引でプラスを叩き出したとしても、一回あたりは2000~3000円を細かく稼ぐ作業になりがちなのです。

これを数十回繰り返してようやく数万円のプラスになるが、動かした分だけ手数料が持っていかれると考えればスタート資金を2倍にするのが如何に困難かは伝わることでしょう。

SBI証券や楽天証券であれば1日の約定代金100万円までは無料で動かせるので、ひたすら30万円以下で買い付けて、利益が10000円程度確定したところで売るという手法もあるでしょうが、それでも手持ちを2倍にするまでには何カ月もかかりそうです。

こういった数字的な環境も鑑みて、初心者が安易に手持ちを増やすのは難しいということです。

もちろんたまたま買った株が決算前に最安値で、決算後に爆伸びの材料が出てあれよあれよという間に2倍になったという経験をお持ちの方も、もしかしたらいるかも知れません。

しかし、そのくらい爆伸びする銘柄に飛びつくには下落トレンドとなっている『落ちるナイフを拾う』投資だということも覚悟してください。

通常はそのままズルズル下がっていく確率の方が高いのです。

「500円が30万円に」のウソ

「株式投資を500円から始めて、今では口座に30万円がある」といった様なニュアンスの広告が時々流れてくることがあります。

お金を増やしたい人にとっては夢の様な話に見えますが、これについて少し冷静に考えてみましょう。

この様な表現は誇大広告の様なもので、基本的に不可能となる数値的な理由があります。おさらいしていきましょう。

  • 国内株式は最低買い付け単価が100株からとなり、10円以下の株は存在していない
  • 大きく値動きがあっても1日15%程度の値動きでストップ高になる為、何倍までも動くのには基本的に時間がとてもかかる
  • ETFであれば1口から買い付け可能だが、いずれかの指標(複数の銘柄)に連動した値動きとなるため、動きが硬く倍々ゲームとはならない

この様に対象商品を500円で買うこともできなければ、それが数十倍数百倍に大きくなることはまずないということが基本となります。

ですので、こういった手持ち資金の桁が大きく変わる広告は誇大広告であると見破ることができますね。

詐欺商材や講演を売りつけて、販売元だけが儲かるような商売はどの様な業界にも存在するのでこういった文句に引っかからないように十分に注意しましょう。

株や経済をを学ぶのは大変ですが、現在ではYoutubeをはじめとするWEBコンテンツだけでである程度の所まで勉強することができます。

また、ここまでの説明の例外として1株から買い付け可能な証券会社もあり、主にLINE証券などがあります。

この様なシステムの会社を使えば買い付けまでは可能ですが、どちらにせよ大きくリターンを得ることは難しいです。

投資を始める上で『知識に過剰に資金を投入する』という概念には待ったをかけていきましょう。

大切な投資資金を失ってしまうかも知れません。

投資は必ず余剰資金で始める

デイトレードなどの短期トレードを活用した株式投資は大きく安定的に稼ぐのは難しいですが、うまく活用すればランチ代を稼ぐ程度の技術は徐々に身についてきます。

ただし、相場が急落して2000円(20万円)で買い付けた株が1920円(19万2千円)、翌日には1800円前半まであれよあれよという間に落ちてしまい、一気に含み損が15000円を超えたということもよくあります。

株は元値が大きい株ほど上下にぶれやすく、逆に1000円を切るような株はなかなか思うような値動きをせずにチマチマチマチマと動いていきます。

また、信用取引を使わない限り借金を背負うことはありませんが丸々損失を食らう可能性は常に秘めています。

そういったリスクをしっかりと受け止めつつ、余剰資金からコツコツコツコツ細かい利益を組み立てられる日には、デイトレード~スイングトレードの様な手法は向いていると言えます。

チャートを参考にしながら長期の安定銘柄を探して、一瞬だけ動いた瞬間に売り抜くようなトレードに是非チャレンジしてみましょう。

月のお小遣いを1万円増やせるかもしれません。

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