信用取引のコストを分かりやすく解説【シミュレーション】

信用取引を実際に始めようと思った場合に、投資初心者の方が感じる最も大きな壁が「手数料は全体でいくらかかるのか?」という疑問です。

信用取引は現物の買い建てと違い、通常よりコストがかかりそうなのは何となく想像がつくところですが、それゆえ怖くて手を出せないのが本音という方はとても多いです。

せめてコスト幅がある程度理解できれば、利益確定のラインもおおよそで算定できるようになる為心強いですよね。

こちらの記事では、そんな信用取引を始めたいがコストが不安という方の為に、実際の約定代金を参考に分かりやすく解説していきます。

※こちらの記事は2021年10月の税率を基準に製作されています。

目次

信用取引に使われる用語

こちらの項目では信用取引に関する用語について解説します。

信用取引は現物取引と違い専用の用語が出てきたり、証券会社ごとに同じ意味合いの言葉でも表記が異なったりしています。

信用取引に使われる周辺用語を理解するだけでも、信用取引に対する理解がグッと深まります。混乱しないようにしっかり区別してきましょう。

用語解説
取引手数料通常の取引時に計算される手数料。
証券会社によって違いがあり、現物売買・信用売買で細かく設定されています。
一般的には現物取引手数料より信用取引手数料の方が低く設定されています。
取引手数料無料枠「いちにち定額コース」など、証券会社により様々な無料枠を設けています。
例えば二大ネット証券と言われるSBI証券と楽天証券は2021年現在1日100万円までの取引手数料を無料にするコースを設定しています。
投資家はそちらのコースを設定することで、枠組みの中で決まった手数料で取引ができます。
買方金利
(日歩)
信用取引をする際に買い建てで入った場合に発生するコストです。
制度信用と一般信用に分かれていて、証券会社によって制定されている金利が変わります。
基本○.○○%(年率)と記載されているので、1日当たりで言えば365で割った数値がコストとして計算されます。
例えば2.80%(年率)であれば、0.00767123%が1日あたりの買方金利となります。
売方金利信用取引をする際に売り建てで入った場合に発生する金利です。
制度信用と一般信用に分かれていて、証券会社によって制定されている金利が変わります。
売り建てを行った場合売却代金が一時的に証券会社に保留されるため、そのお金に対する金利となります。
売方が受け取れる金額なので、投資家にとってはプラスの要素です。
ただし、売方金利は0.00%に設定されていることが多く、その場合は意味のないものとなっています。
品貸料
(逆日歩)
信用取引をする際に売り建てで入った場合に発生するコストです。
決まった数字が無く、市場の状況により変動します。
主に実際の市場株の不足により算定されるコストです。
貸株料信用取引をする際に売り建てで入った場合に発生するコストです。
制度信用と一般信用に分かれていて、証券会社によって制定されている金利が変わります。
一般的に買方金利より貸株料の方が低く設定されていることが多く、その点では玉を建てやすいと言えます。
ちょうど買方金利の逆の要素であると覚えると考えやすいです。
名義書換料買い建玉が決算日(権利確定日)をまたいで持っている場合に発生するコストです。
株式だけではなくETFの場合も発生します。
一般的に株主優待や配当権利などが欲しい場合は、現物取引を行うことが推奨されます。
信用管理費
/事務管理費
新規で信用を決済し、建て玉が発生した日から一定期間が発生するたびに証券会社に支払う管理費用です。
基本的には1ヶ月区切りで費用が算定されます。
証券会社により名称が異なる場合があります。

この他各証券会社の中で様々なユーザー優遇措置に対し、特別な名称を用いて説明をされている場合があります。

信用取引のコストシミュレーション

では実際に信用取引ではどのようなコストがかかるのか、そしてどの様に収益が出るのかを算出していきます。

例えば株価1655円の株を100株新規信用で買い建てを行うとします。

すると順序としては下記の様なイメージの進行となります。

項目詳細国内株式資産推移の想定
口座に資金を準備
新規買い建て1,655円×100株=165,500円165,500円
買い建て
手数料
選択している証券会社の口座取り扱いによる。
取引金額算定であれば、148円などが一般的。
165,500円
-148円(手数料)
買方金利
(日歩)
選択している証券会社の口座取り扱いによる。
ここでは例として年率2.80%を採用。
2.80%(年率)÷365(日数)=0.00767123%
165,500円
-148円(手数料)
-13円(買方金利1日分)
翌日取引を行わずに翌営業日へ持ち越し。
買方金利が増える。
165,500円
-148円(手数料)
-26円(買方金利2日分)
信用返済実行翌営業日に株価が1,700円に上昇した為、売り決済を行い信用を返済。(170,000円)→売却-148円(手数料)
-26円(買方金利2日分)
+4,500円(売買時の差額による利益)
税金の計算プラス収益から税金分を引く。
税率は20.315%(2021年現在)。
4,326円(差額益)
-878.8円(税率)
=3,447円(税金計算後の最終益)

信用取引のコスト計算時に一番わからなくなるのが、途中の買い方金利です。

表に記載していますが、買い方金利の1日あたりの計算は下記の通りとなります。

2.80%(年率)÷365(日数)=約0.00767123%

つまり上記の様な条件で1,655円の銘柄を100株購入した場合、ポジションを保持している限り毎日おおよそ13円のコストが発生。

さらに、権利日を跨ぐのであれば『名義書換料』が。

長期保有であれば『管理費』が発生します。

また取引手数料の所で計算している148円ですが、これは一般的な金額となりますので例えば1日100万円の無料枠を設けている証券口座を使い、1日枠の中に収まっていればこの部分のコストはかからないことになります。

逆にコスト発生条件もさまざまあり『買いの時に発生』『売りの時に発生』『往復で発生』など様々な料金形態が存在するので、口座自体の手数料設定をよくよく確認してみると良いでしょう。

楽天証券・SBI証券・SBIネオトレード証券・auカブコム証券は無料枠が大きいことで有名で、枠内取引であれば検討に入れてみましょう。

以上が信用買いにおける一般的なシミュレートです。

信用取引の実質コストは数十円~数百円

上記のような説明から、100万円未満100株の買い付けで短期のトレードであれば実質コストは数十円~数百円ということがわかりました。

基本的に信用取引に紐づくコストは株価から選定されますので、低位の株になるほど表記上は安くなっていきます。

ただし、実際に割安かどうかは証券会社が定める取引コストに左右されるので注意が必要です。割安感で言うと100万円を超えている方が50万円未満の物よりトータルでは割安という可能性も十分にあります。

これは信用取引にかかわらず現物取引でも言えることで、例えば米株を購入する場合には一括でできるだけ多く購入する方が取引コストを抑えることができるとよく言われます。

これは、米株の取引コストに上限が設けられている証券会社が多い為、一括購入した方が結果的に手数料が安く済むということを意味しています。

日本株でも1取引当たりで言えば境界が100万円に設定されていることも多く、証券会社が発する取引コストに関する情報を注意深く観察すると見えてくるものがあります。

他方、通常の取引コストは現物取引と変わらない扱いとする証券会社が多いです。

例えば取引無料枠が存在していて、無料枠の対象になっている口座であれば現物も信用も数値的には変わらない扱いとする場合が多いです。

現在登録している会社が、信用取引に対して優遇なのかどうかを比べてみると今後のトレードでの余計な支出を防ぐことができるでしょう。

コストを抑えた取引を実現するためには?→

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