株取引において初心者がやりがちな失敗例5選と対処法

その取引、間違ってますよ。だから負けるのです。

「個人投資家の9割は2年以内に退場する」という有名な表現があります。これは初心者がいくらコツコツ積み立てても、どこかのタイミングでドカンとマイナスを食らってしまい、結局その状態から抜け出せなくなり退場していしまう。

ということを表しています。

本当に9割が投資の世界から退潮しているかどうかは別祖として、やはり初心者特有のドカン負けは防げるならふせいでおきたいですよね。

今回はそんな初心者が絶対やってしまう間違いとその対処法をこちらの記事では紹介していきます。

様々な格言やコメントにも記されている通り『絶対にやらかす』事柄なので、それを事前に知っておくことで回避する手段を身に付けましょう。

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目次

ジャンピングキャッチ

初心者が一番やってしまいがちなのがこれ、暴騰した銘柄を発見し「このトレンドに乗り遅れないようにしようと!」とばかりにその株を勢いで買い付ける。

買い付けた直後は一瞬上がったものの、気が付いたら買った時の価格を下回っており、損をするのが嫌なのでしばらく様子を見ていた。

そしてズルズルとマイナスをつけ始め、気が付いたら売るに売れないレベルにまで赤字が出て損切りするのは怖いので塩漬けになってしまった。というもの。

こういった現象はその銘柄の天井付近で株を掴んでしまったためにジャンピングキャッチと呼ばれます。

こういった典型的なジャンピングキャッチをしない為には、事前の分析が必要不可欠です。

例えばテクニカル分析を見て、日足のボリンジャーバンドの3σやRSIの値が80を超えてくればその銘柄は過熱しすぎており、どこかで調整が入り一瞬下降することが予測できます。

また、材料が無いのに暴騰している場合はいわゆる仕手株で、どこかの一斉買い付けにより一時的に暴騰、そこにイナゴした投資家たちがタワーを形成している可能性が高くなります。

この場合もいずれ買い手の収束から売りがはじまり、一度大きくなった売りの波はさらなる売りを呼び元の価格まで急落する場合が多いです。

いずれの状況にせよ、個人投資家が暴騰銘柄にあとから入るというのは既に祭りが終わった状態であることが多く、機関投資家も買いから売りに転じていて『時すでに遅し』という場合が多いです。

もしチャート上で大きなタワーの形成を見つけてしまった場合は、悔しがったり後悔したりせずに冷静に何故高値圏を突っ切っていったか、今後どこまで伸びるのか、調整が入りどこまで落ちてくるのかなどを考える方が合理的です。

落ちるナイフを掴む

これも初心者にありがちな現象です。

「ここまで下がってきたら買おう」「ここまで来たらさすがに反発するだろう」という自分勝手な考え方で下落トレンドに入った銘柄を落ちる途中で買ってしまい、泣きを見る。そういった初心者投資家が数多くいます。

下降中の銘柄は落ちるナイフと表現され、つまり掴むことで自身を傷つけてしまう可能性が非常に高いです。

下落、特に急落した銘柄は反発上昇の時期の見極めが大変難しく、大陰線を叩いた翌日に大陽線を形成し元に戻るという稀有なケースもありますが、基本的には三羽ガラスや下落の捨て子線などの連続陰線が出現し、下降からさらなる下降に向かうパターンが多いです。

その為『安くなったから買いだろう』と軽い気持ちで入った初心者の首を一気に締めにかかる可能性があります。

もし下落トレンドに対してそれでも買いで入っていこうとする場合は最低限下記の項目を精査しましょう。

  • 下落するほどのマイナス材料が銘柄にあったのか
  • 下落先の値段に支持線(反発ライン)は存在しているか
  • 急落の翌日すぐは買い付けない

それぞれ確認していきましょう。

下落の悪材料の有無

下落するほどの材料(悪材料)が銘柄に出ていたかどうかは重要です。

例えば、決算日が直近であり投資家が予測したほど業績が伸びていなければ失望売りからその株が投げ売りされる可能性が出てきます。

この急激な下落に反応した投資家も恐怖売りから一部投げ売りを行い、下落が下落を呼ぶ可能性も出てきます。

しかし、下落に対して決算の有無やセクターの流行やその他ニュースの悪材料が見受けられなければ、それは利益確定売りで下落している可能性があります。いわゆる調整です。

どちらの場合も、すぐに反発上昇することはあまりないので一旦様子見に徹するとよいでしょう。

支持線の存在

下落する銘柄でも高確率で跳ね返される可能性があるものがあります、それが『支持線』の存在です。

支持線とは、その銘柄の下落時の底値の様なものです。

例えば2600円~2900円をうろうろしている銘柄があったとして、それが1年以上も何度も同じところで上昇しては跳ね返されている状態をボックス相場と言います。

ボックス相場を作っている銘柄は支持線と抵抗線(天井)の見極めが比較的簡単で、下落がどこまで続くかを予想することができます。

例のような銘柄が2700円付近に下がってきたと仮定した場合、まだ下落する可能性が高く、同時に2600円付近で反発する可能性が高い為、この状況を目安に買い付けを行うのが賢明です。

急落後すぐに動かない

急落後すぐに反発して暴騰、する銘柄というのはかなり少ないです。

投げ売り直後に暴騰しない理由はいくらかありますが

  • 恐怖売りからさらに売り込まれる懸念
  • 悪材料が出尽くしておらずさらに売り叩かれる状態
  • 経験から買い手が少ないことを知っている投資家が買いで入ってこない

などがあります。

また、暴落中に買いで入ってしまった投資家が損の幅を小さくしようとある程度上がったところで売るからとも考えられます。

所謂上値が重いという状態です。

こうした個々の投資家心理や事情から、暴落後に反発急騰することはまずないのです。

とはいえ、翌日戻しもなくはないので例外的ですが急落後に暴騰して少し戻した銘柄を紹介しておきます。

2021年10月のベイカレントコンサルティングです。

ベイカレントの株式チャート
画像引用株探様

ベイカレントは決算発表翌営業日の10/18に暴落、翌10/19にギャップダウンスタートの安値から始まるものの、日中ほぼ上げで下げ幅の半分程度まで戻し、その後横横移動のチャートを形成しました。

ただ、これだけの大陰線から大陽線を叩いても大陰線の真ん中程度までしか戻せていないところを見ると、いかに暴落後の買い手を呼び込むのが難しいかが想像できます。

資金に対して高い株に手を出す

初心者でやりがちなのが、自己資金の余裕よりも高い銘柄に手を出してしまうことです。

例えば、初期投資資金が50万円しかないのに、いきなり20万円の株を買い付けるのは非常にリスキーです。

全資金の40%も個別の銘柄に使ってしまっては、その後急落してしまった時に塩漬けしてしまい身動きが取れなくなってしまうからです。

投資金額の多くを占める株に手を出さない為には、あらかじめ買い付けの価格に対するマイルールを設定しておきましょう。

3000円以上の銘柄は様子を見る

全体的な傾向として急騰銘柄や3000円以上の銘柄は値動きそのものが非常に大きいのが特徴です。

1ティックと言われる最小単位は低位では1円単位ですが、3000円以上の株価で基本5円ずつ、5000円以上の株価で基本10円ずつの値動き設定になります。

つまり、少し上下するだけでランチ代くらいは作り出せるほど動きがあります。

リターンが期待できる反面リスクも大きく、初心者向きとは言えません。

同じ30万円の投資でも、3つの違うジャンルの銘柄に10万円ずつ散投資することでリスク分散にもつながります。

よほど自信のある銘柄であったり、値動きが例外的に穏やかな銘柄であれば別ですが、基本的に大きくリスクをとるような値を貼る銘柄への投資は、一瞬我慢してからやり始めるのが無難です。

10分割できる程度の銘柄で入る

自己資金に対しては10分割程度できる値段がいいとされています。

例えば、資金が50万円であれば500円の銘柄、で5万円から。

100万円であれば1000円の銘柄で10万円からといった具合です。

これはナンピンや買い増しなどの手法を行って利幅を増やしたり、リスクを減らしたりといった選択の幅が増える為で、安全に運用が行える目安でもあります。

10分割できる銘柄で入ればお試し買いからの撤退も容易なので、気になる銘柄がありその銘柄が資金の10%程度であればエントリー検討の上位に入れてみてもいいでしょう。

とにかく高すぎる株には手を出さないルールを先に自分の中で決めてしまえば、運用の安全度が増していきます。

損切りをしない・できない

どんなにできる人でも最初に躓き、トレード歴が長い人ほど口を酸っぱくして注意するのが損切りをロボットの様にしろということです。

自分でマイナスを確定させる作業は非常に怖いですが、損切りを行った場合のメリットがあるので、損切りは重要と言われているのです。

【損切りのメリットについて】

  • 損失の拡大を防ぐことができる
  • 目減りはするものの、運用資金を再度確保できる
  • 切った銘柄に対して余計な思考を割かなくて済む

損切りに明確なラインはありませんが、一般的には5%以上の含み損を出す様であればその銘柄からは一時撤退した方が賢明とされています。

また、同じ様な問題で下落トレンド中のナンピン(安値で買い増すこと)も平均取得単価は下がるものの下落を止める為の役割は果たされない為推奨されていません。

損失を自分で確定させるというのはとても勇気のいる作業ですが、トレードをする以上必ず決断しなければいけない場面が出てきます。

運用を安定させるうえでも、損切りのタイミングをしっかりと見極めていきましょう。

もし、損切りのタイミングがわからない場合は下記の様な判断がおすすめです。

  • 購入価格より5%下回った
  • 21日EMAを1%下回った
  • 悪材料が噴出して投げ売りが始まった

損切りしたら、その銘柄を観測するのは一度中断して他の銘柄の見極めに集中しましょう。

短期であれ銘柄に対する予測が外れていたことになるので、同じ銘柄で勝負を続けても分が悪いということです。

熱中してセオリーを忘れる

最後に紹介したいのがこれ、ルールを忘れてしまうことそのものです。

ザラバ(取引時間)では熱中してついつい食い入る様にチャートを見てしまうものです。

そして、前日までの研究やルールを忘れて「今過熱しているみたいだから取り損ねないように入っていこう」というジャンピングキャッチ。もしくは「投げ売りが来けから怖い、慌てて売ってしまおう」などという恐怖売りに走ってしまいがちです。

特に9:00~9:40までは非常に値動きが激しいので、画面を更新するたびにどきどきしながら画面に張り付き取引が開く前まで考えていた今日のルールを忘れてしまいがち。

目の前の板のスピーディな切り替えに一喜一憂し、最終的に判断力を無くしていくというわけです。

その中でも一番危ないのが、先に提示した想定外の暴騰暴落です。

基本的には想定した動き以外が起きたらそれは『想定外』=『ギャンブル』です。

前日までの予測を自分で裏切ってしまうということはただの丁半博打身を投じているのと全く変わらないので、一度落ち着いて考え直してみましょう。

想定外の動きが来たら、その日は狙っていた銘柄のエントリーをすっぱりあきらめるのが吉です。

まだ自分の勉強や材料予想が足りなかったということなので、それ以降の動きが予測できない為です。

個別株の難しさを刻む

個別株の値動きはプロでも読み切るのが難しいものです。

中・長期的には上がると目される銘柄でも、短期的には長期移動平均線を下回ってから再急騰して元の位置に戻ったりと、相場自体の値動きは誰にも読めません。

しかし今後来るであろうリスクを的確に捉え理に適わない行動を抑えることで、確実に負け数を減らしプラスを増やしていくことにつなげることができます。

その為にも今から取るような選択が、今回紹介した様な行動と同じになっていないかはよく吟味して市場に参加したいものです。

「まだは、もう。もうは、まだ」です。タイミングはしっかり吟味しましょう。

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いまをアルク編集部
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