労働環境の改善等に取り組む建設事業者のための助成金紹介。
こちらの記事は助成金についてのまとめ記事第1弾となります。
助成金の概要やその他の助成金について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
情報出典元:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)
建設業は他の業種に比べて独自の助成金の数が多く、その代わりに雇用保険の保険料が高く設定されています。(一般の事業の雇用保険料率が9/1,000なのに対し、建設事業では12/1,000)そのため、助成金をうまく活用することが大切になります。
トライアル雇用 (若年・女性建設労働者トライアルコース)
トライアル雇用助成金は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者などを無期雇用契約へ移行することを前提に一定期間試行雇用を行う事業主に対して助成する制度です。
こちらはその制度のコースの一つである、若年・女性の建設労働者に向けた助成金です。
支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
支給期間 | 3か月(最大) |
支給額 | 対象となる若年・女性労働者1人につき、支給対象期間1カ月間当たり4万円の支給 (トライアル雇用助成金の上乗せ) |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主、「建設の事業」 の雇用保険料率(12/1,000)、雇用管理責任者の選任 トライアル雇用助成金の対象コース(※1)の支給決定を受ける |
受給対象となる労働者 | 35歳未満 or 女性 建設工事現場での現場作業に従事(※2) |
- 1 一般トライアルコース、障害者トライアルコース、新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース、新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース
- 2 設計、測量、経理、営業などに従事する方は対象外
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して助成します。魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的としています。
今回はその中でも建設事業者向けの3つのコースをご紹介していきます。
雇用管理制度助成コース(建設分野)
雇用管理制度助成コースとは、雇用管理制度の導入・実施を通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対しての支援を助成金です。
今回ご紹介するのはその建設分野向けコースで、条件を満たせば通常の雇用管理制度助成コースに更に上乗せした助成金を得ることができます。
このコースには、雇用管理改善を目標とする事業を支援する『目標達成助成』と、登録基幹技能者手当を増額するなどの取り組みを行う事業の支援をする『登録基幹技能者等の処遇向上支援助成』の2つのタイプが存在します。
まず、『目標達成助成』の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
目標達成助成
支給回数 | 最大2回 |
支給額 | 57万円(第1回)<72万円> 85.5万円(第2回)<108万円> (雇用管理制度助成コースの上乗せ) |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 「建設の事業」 の雇用保険料(12/1,000) 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)の支給決定 若年及び女性労働者の入職率目標達成 |
- <>の額は生産性要件を満たした場合
次に、『登録基幹技能者等の処遇向上支援助成』の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
登録基幹技能者等の処遇向上支援助成
支給期間 | 3年(最長) |
支給額 | 10万円/年 増額した場合 6.65万円/人<8.4万円> 5万円/年 増額した場合 3.32万円/人<4.2万円> |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 「建設の事業」 の雇用保険料(12/1,000) 若年技能労働者を正規雇用している 過去に本コースの受給なし すべての正規の従業員に適用される賃金テーブルを整備し、1年以上運用 |
- <>の額は生産性要件を満たした場合
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は令和4年3月31日をもって整備計画の受付を休止する予定です。本制度を利用する場合は、同日までに「雇用管理制度整備計画」を管轄の都道府県労働局の助成金窓口に提出する必要があります。詳細はこちらをご参照ください。
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
建設業の事業主等が、若年及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を実施する、または建設工事における作業についての訓練を推進する活動を実施する助成金です。
支給上限額 | 200万円 |
支給額 (中小建設事業主の場合) | 支給対象経費の 3/5 <3/4> |
支給額 (中小建設事業主以外の場合) | 支給対象経費の 9/20 <3/5> |
研修等の受講 (対象労働者1人あたり) | 8,550円/日<10,550円> |
事業主の受給条件 | 「建設の事業」 の雇用保険料率(12/1,000) 雇用管理責任者の選任 「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業」を実施 (※1) |
- <>の額は生産性要件を満たした場合
(※1) 以下の画像に記載された事業項目を達成することが受給条件となっています。
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
作業員宿舎などを被災地に建設する事業を支援する助成金です。
このコースには、被災三県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅の賃借を行う事業を支援する『作業員宿舎等設置助成』と、建設工事現場に女性専用の作業員施設を整備する事業を支援する『女性専用作業員施設設置経費助成』の2種類が存在します。
まず、『作業員宿舎等設置助成』の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
作業員宿舎等設置助成
支給上限額 | 200万円(1事業年度あたり) |
支給額 | 支給対象費用の2/3 賃貸住宅については、上限:3万円/月(1人最大1年間) |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 対象事業の実施に関する計画を策定し、その計画に従って事業を実施* |
- 被災三県(岩手県、宮城県、福島県)に所在する工事現場において、①作業員宿舎、②賃貸住宅、③作業員施設の賃借を行う。
次に、『女性専用作業員施設設置経費助成』の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
女性専用作業員施設設置経費助成
支給上限額 | 60万円(1事業年度あたり) |
支給額 | 支給対象費用の3/5<3/4> |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 「建設の事業」 の雇用保険料率(12/1,000) 自ら施工管理する建設工事現場に女性専用の作業員施設を賃借により整備 |
- <>の額は生産性要件を満たした場合
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能を修得させるための職業訓練等を計画に沿って実施したり、教育訓練休暇制度を適用した事業主等に対して助成する制度です。
今回は建設事業者向けの2つのコースを紹介していきます。
建設労働者認定訓練コース
こちらのコースには、経費助成型と賃金助成型の2つのタイプが存在します。
経費助成
支給額 | 助成対象経費の1/6 |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 都道府県から認定訓練助成事業費補助金(運営費)又は広域団体認定訓練助成金の交付を受けて、認定訓練を行う |
受給対象となる労働者 | 広域団体認定訓練助成金又は認定訓練助成事業費補助金の交付対象となっている者であること。 |
続いて、賃金助成型の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
賃金助成
支給上限額 | 1,000万円/年 |
支給額 | 3,800円/日 <1,000円> |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、特別育成訓練コース)の支給決定を受けたこと 雇用する建設労働者に対して認定訓練を受講させ、その期間、通常の賃金の額以上の賃金を支払うこと |
受給対象となる労働者 | 中小建設事業主が雇用している雇用保険の被保険者である建設労働者で、その中小建設事業主が認定訓練を受講させたもの。 |
- <>内は生産性要件を満たした場合の割増分の支給額です。
建設労働者技能実習コース
こちらのコースにも、経費助成型と賃金助成型の2つのタイプが存在します。
経費助成
支給上限額 | 1つの技能実習につき1人あたり10万円まで |
支給期間 | 雇用保険被保険者数20人以下の場合 支給対象費用の3/4 雇用保険被保険者数21人以上の場合 支給対象費用の7/10 or 9/20 中小建設事業主以外の建設事業主が自らが雇用する女性建設労働者に技能実習を行う場合 支給対象費用の3/5 |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 「建設の事業」 の雇用保険料率(12/1,000)*その他の条件もあり |
受給対象となる労働者 | 指定の条件を満たす雇用保険被保険者である建設労働者であり、実際に訓練を受けた時間数が受講時間数の7割以上の者。 |
続いて、賃金助成型の支給期間・支給額・条件等は以下の通りです。
賃金助成
支給上限額 | 500万円(1事業所への1年度につき) |
支給額 | 雇用保険被保険者数20人以下の場合 8,550円/日 雇用する雇用保険被保険者数21人以上の場合 7,600円/日 +割増分助成あり |
事業主の受給条件 | 中小建設事業主 雇用管理責任者の選任 「建設の事業」 の雇用保険料率(12/1,000)*その他の条件もあり |
受給対象となる労働者 | 指定の条件を満たす雇用保険被保険者である建設労働者であり、実際に訓練を受けた時間数が受講時間数の7割以上の者。 |
労働条件等関係助成金 (建設業退職金共済制度に係る掛金助成)
労働条件等関係助成金は、同制度に新たに加入する事業主または既に加入している事業主に対して、その掛金の一部を助成するものであり、同制度への加入促進と同制度の円滑な実施を目的としています。
労働条件等関係助成金の『中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成』のひとつである本制度の支給額・条件等は以下の通りです。
支給上限額 | 対象労働者が建退共制度の被共済者となった月から12か月相当分の掛金額(日額310円)の1/3(50日分)の納付を免除 |
事業主の受給条件 | 建設業を営む中小企業者 建退共制度に新たに加入する事業主または既に加入している事業主 |
労働条件等関係助成金のご案内はこちら
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