アバターで医師のカウンセリング「メタバースこころの相談所」

VR Healthcareは、VR空間で医師や専門家のカウンセリングを受けることができる「メタバースこころの相談所」をオープンしたと発表しました。

VR Healthcareは、VR空間で医療相談サービスなどを提供している企業。内科医、精神科医、泌尿器科専門医、整形外科専門医、産業医、獣医と幅広い診療科目の現役医師をラインナップして、匿名性の高いカウンセリングを行っています。

同社の相談サービスは、スマホやPCで利用が可能。「LINEで医療相談」は、LINE上で医師とQ&A形式をとりながら気になる症状などについてアドバイスが受けられます。また、2022年7月から運営している「VR医療相談集会」は、VRChatを使ってアバターの姿で医師にコンタクトできる相談の場です。

同集会は、「医療に対するハードルを下げたい」という主催者たちの想いと、「どの診療科に行ったら良いのか分からない」という相談者の困りごとを解決するために発足。病院で受診するかどうかを決める場として活用してもOKという敷居の低さで、利用者も着実に増やしてきました。(現時点で個人の診察は行わず、あくまでも一般的な医療相談に限定)

しかしその反面、VR医療相談集会を快適に利用するためには、一定以上のスペックを持つPCや、ヘッドマウントディスプレイなどのVRギアが必要で、より相談しやすい場をつくっていく上ではこうした条件がハードルになっていました。こうした課題を解決しようとするのが、メタバースこころの相談所です。

同相談所は、スマホや一般的なスペックのPCでも操作できる環境を提供するため、プラットフォームとしてHIKKYが提供している「VketCloud」を採用。身近なデバイスで利用できるため、老若男女問わず気軽なアクセスが可能になっています。

同社によると、このサービスで重要なのは“アバター同士でカウンセリングが進められる”という点。対面や肉声ではなくVR空間でアバターとなることで、相談者はより自己開示しやすくなり、症状が進行し状況が悪化する前にサポートを届けるチャンスが生まれるとのことです。

こうしたアバター活用のメリットは、2007年に発表されたスタンフォード大学のニック・イー、ジェレミー・ベイルソンによる論文「プロテウス効果(The Proteus Effect)」でも「背の高いアバターを使うと交渉力が上がる」といったことが提唱されており、今後のメタバース活用をさらに後押しするものだとも言われています。

VR Healthcareは、メタバースこころの相談所について、まずは一部の個人向け、及び企業の福利厚生向けなどに提供し、サービスの普及を促した上で、近年中に一般の個人向けサービスへ拡大していく予定とのこと。
同社は「医療やカウンセリングにアクセスしにくい層にもより早く・手軽にアクセスしてもらうことで、様々な事件の予防につながるのではないか」と、この取り組みに込めた期待を語っています。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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