免許更新時の高齢者向け検査を“模擬”体験「ホンモノ体験アプリMOGI」

高齢者・認知症に関する医療機器開発を手掛ける日本テクトシステムズは、高齢者の免許更新時における認知機能検査システム「MENKYO」を体験できる「ホンモノ体験アプリMOGI(以下、MOGI)」の提供を開始したと発表しました。

日本テクトシステムズは、認知症からくる様々な社会問題へのソリューションを提供する医療ICTベンチャー企業。DeNAの100%子会社で、認知機能AIチェックツール「ONSEI」や画像診断装置用プログラム「MRI-TAISEKI」などの製品を提供しており、そのサービスの1つがMENKYOです。

現在、75歳以上で運転免許の更新を希望する人や一定の違反対象者は、認知機能検査を受けることが義務づけられており、年間200万人が対象となっています。

従来はこの検査を紙ベースで行っていましたが、2022年5月に道交法が改正され、タブレットでの受験も可能に。すでに半数ほどの府県でタブレット検査が導入されており、今後もこの動きは広がっていくと考えられています。

このタブレットによる認知機能検査に対応したのがMENKYOで、ヘッドフォンの着用で音声検査ガイドが出力され、タッチパネルと専用のペンによる自筆回答も可能です。さらに、採点は自動で行うことができ、結果報告書の作成にも対応しているため、試験場職員や検査官の業務負担軽減にも貢献。音声ガイダンスでの説明は飛沫防止につながり、同時同室での検査も避けられるため、感染症対策としても有効とされています。

ただ、高齢者の中にはタブレットなどのIT機器に苦手意識を感じている方もいます。そうした人たちから事前に検査の体験ができないかという要望が寄せられており、これらの声に応えるかたちで登場したのが「MOGI」アプリです。

MOGIは、その名の通りMENKYOの検査を模擬的に体験できるもの。利用者はそれぞれのペースで回答を進められ、試験場以外の場所でも活用でき、個々の聴覚能力に合わせた音量での受験も可能です。また、検査結果は対象者のスマートフォンで受け取れる仕様になっており、個人情報の保護にも配慮されています。

画像はイメージです

また、同社はこのサービス提供と同時に、脳の健康への意識を高めることを目的とした実証実験を実施することも発表。神奈川県藤沢市の調剤薬局で、認知機能を手軽にチェックできる環境を設けつつ、高齢者が認知機能の不安を相談できる場も提供し、効果を検証するようです。

なお、認知機能検査の受検義務は75歳以上ですが、MOGIはそれに該当しない人も利用可能。自動車の運転に限らず、認知機能のチェックを行う様々なシーンで活用できます。日本テクトシステムズは今後の取り組みについて「『自身での早期の気づき』をテーマに、街中で気軽に体験でき、早期診断・早期治療へつなげることが可能となる仕組みの構築を目指し、広く展開して行く予定」とコメントしています。

あわせて読みたい
認知症予防スマホアプリ「しらせあい 脳トレ 紡」リリース 介護施設向けの認知症早期予防アプリ「サウンドマインド」を提供している京セラみらいエンビジョンが、同アプリを一般ユーザー向けに開発したスマホアプリ「しらせあい ...

投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次