千葉工業大学がWeb3.0に関するあらたな取り組みとして、NFTによる学修歴証明の発行を開始したことを発表しました。
今回の取り組みは、Podcast番組の制作や、コンテンツのプロデュースなどをてがけるPitPa(ピトパ)との取り組みのひとつ。共同でweb3時代を見据えたグローバル人材の育成を測るため、様々なツールの開発・推進を行っていて、今回のNFTによる学修歴証明は、その第1弾として伊藤穰一氏がセンター長を務める千葉工業大学変革センターにて行われています。
NFT学修歴証明書は、Blockcertsの技術を応用し、Polygonのブロックチェーン上でNFTとしてmintしたもの。ブロックチェーンは台帳に記録することによりデータの改ざんができない仕組みがあるため、大学での単位修得情報をブロックチェーン上に書き込むことで偽造できない証明書を発行することが可能となっています。また、同校の発表によると、国内大学における学修歴証明書のNFT化は初の試みとなるとのこと。
同校によると「Web3.0時代は、学生の就職活動そのものが大きく変革を迎えるといわれています。国境を超えた人材の流動性が大きくなり、特定の知識や技能を活かして、プロジェクト毎に人材を雇い入れるジョブ型雇用が推進するとの見方も広がっています。こうした変革に備えて、より幅広いキャリア形成を後押しするべく、国際規格に準拠したNFTによるデジタル証明書を発行いたしました」と、発行にいたった経緯について説明しています。
NFT学修歴証明書は、従来のブロックチェーン型の証明書に比べ、媒体を超えた可搬性に優れている点が特徴で、仮想通貨のウォレットmetamaskなどで証明データを管理できるため、さまざまなプラットフォームにウォレットを接続するだけで表示や活用が可能となります。
大手NFTマーケットプレイスOpenSeaで証明書を表示することが可能なだけでなく、オンラインチャットサービスのdiscordで入場証明等として使用が可能なほか、自立分散組織DAOなどで採用されているジョブ提供プラットフォームdeworkなどでも証明に使うことができると、同校はアピールしています。また今回のNFT証明書は、売買は不可能な設定となっていて、学位が市場で取引されるリスクは回避した仕様となっています。
同校は「本証明書はブロックチェーンの台帳に情報を残すため、学びの実績を卒業後も永続的に安心な形で保証するものになります。このため、学生のキャリア形成を中長期で支援することができ、独自のカリキュラムを持つ千葉工業大学の強みを世界中にアピールすることが可能となります」とコメント。
NFT発行はすでにおこなわれており、2022年前期に千葉工業大学内変革センターで行われたTenzin Priyadarshi教授による授業「気づきの原則」、及び武邑光裕研究員による「メディアと文化」の授業を履修し単位を取得した学生に対し、8月9日付で最初のNFTが発行されています。
所長の伊藤穰一所氏はp私がマサチューセッツ工科大学でメディアラボに所属していた時代にスタートしたBlockcertsが、今回千葉工大のプロジェクトによりNFTの拡張機能を備え、web3仕様に進化したことを喜ばしく思います。学位は最もブロックチェーンに適したアプリケーションのひとつです。今回、千葉工大で、このようなプロジェクトを推進できたことに興奮を覚えます。これをきっかけに他の大学も使ってくれるとうれしいですね」と述べています。
投稿者プロフィール
- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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