凸版印刷は、アーティストやブランドなどのファンが集まるコミュニティを安全に形成するための、NFTを活用した認証ソリューション「HAYACAWAわん」のサービス提供を開始しました。
凸版印刷は、国内はもちろん海外においても様々なサービスを展開している大手総合印刷会社。主軸である印刷業だけでなく、ICTやエレクトロニクスの分野でも多様な製品・サービスをグローバルに提供しています。近年はVR/ARを始めとするテクノロジーを活用した事業にも注力しており、Web3事業に関する活動を活発化させています。
これらの活動において、同社は他社との協業も積極的に行っており、グローバルコミュニケーションプラットフォームを開発する「Scalably」との連携もそうしたものの1つ。そして、2023年2月にスタートした両社の協業から生まれたのが、特定のNFTを保有するユーザーにコミュニティへの参加権を付与できるNFT認証ツール、HAYACAWAわんです。
HAYACAWAわんが誕生したきっかけは、企業がNFTを活用する上で、この領域に未熟な部分が残されているという課題にあります。ユーザーからのニーズが増え続けるNFTの分野では、NFTの取り引きだけでなく、ファンが参加できるイベントやコミュニティなどの“場”を用意し、それを元に購入促進を図るといったマーケティングが有効。しかし、現状ではこうしたコミュニティを構築する上での認証システムを、セキュリティ管理が厳格な日本で導入するのは難しいという現実がありました。
そこで、この課題を解決するために、凸版印刷は「エンタープライズ向けNFT認証ソリューション」の開発に着手。第1弾としてリリースされたのが、Scalablyの協力も得ながら開発したHAYACAWAわんです。このツールにより、芸能事務所やアニメ制作会社、メーカーやクリエイティブ企業などが、NFTを活用したコミュニティの形成とマーケティング活用を容易かつ安全に行うことが可能になります。
HAYACAWAわんは、特定のNFTを保有しているユーザーだけが参加できるDiscordチャンネルを作成、対象となるNFTユーザーが認証を受ければそこに参加できるという仕組みになっています。
NFTという共通項を持つことで、ファン同士が集い、情報交換をすることができるようになり、企業側もファンたちとのコミュニケーションや限定イベントを実施するなどして、マーケティングを行いつつ、新たな楽しみの場を提供することができます。
このHAYACAWAわんの特徴は、NFTが格納されているウォレットへ一時的に接続するという認証方法であるため、個人情報の管理にかかる負荷を軽減したコミュニティ構築が可能であること、また、ユーザーにとって分かりやすいUI設計となっている点、さらに限定コミュニティに属することができる特別感からNFTの価値向上にも貢献する点などがあり、一連のサービスは、凸版印刷の社内専門組織「web3 Marketing Unit」がトータルサポートするとのことです。
ちなみにこの仕組みは、今回のリリースに先立ち、東京国立博物館の創立150年記念バーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」で採用。メタバースの「バーチャルトーハク」内に設けられた同展示空間内で、NFTアート作品の購入者に対して、特典の付与を行う認証システムとしてすでに稼働済です。
凸版印刷は、このHAYACAWAわんのサービス提供を皮切りに、今後も“Webサイト閲覧権”や“イベント・店頭におけるNFTのチケット認証”などをはじめ、様々なニーズに合わせて「エンタープライズ向けNFT認証ソリューション」のラインナップを拡充していく予定としており、「今後も、関連するサービスの開発・提供によりWeb3の社会実装を推進し、誰もが安全・安心にWeb3を活用できる世界の実現を目指す」と意欲をのぞかせています。
投稿者プロフィール
- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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