地域活性化に貢献する都市連動型メタバース「MYUCA」リリース

システム開発サービスを手掛ける「アシス」は、同社が提供しているフロアマップ型メタバースのOpen Metaverse Portal(以下、OMP)をベースに、実在の都市と連動したメタバース“MYUCA(みゅーか)”を開発したと発表しました。

アシスは、佐賀県多久市を拠点とする企業。SIerとしての業務とは別に、飲食店の経営や食品・雑貨の販売、マーケティング、保険代理店など地域活性化に向けた様々な活動を展開しており、令和3年度の佐賀県中小DXフラッグシップモデル創出事業にも採択されています。

同社が提供している商品の中でも代表的なものがOMP。コンパクトなメタバースを構築できるサービスで、現実世界をフロアマップ化したような空間ではコンテンツが全てビジュアライズされており直感的な操作が可能。誰もが楽しめるメタバースを作ることが可能です。

そんなOMPを基盤として開発されたのが都市連動型メタバースのMYUCAです。MYUCAのメタバース空間では多久市にある地域コンテンツがコンパクトに凝縮され、同市のプロモーションに貢献する内容となっています。このMYUCAが生み出された背景には、地方創生系メタバースの抱える課題がありました。

社会がWeb3時代に突入すると同時にメタバースへの参入も急増し、地域活性化や企業プロモーションにメタバースを活用する取り組みも増えました。しかし同時に、巨額を投じて構築したのにも関わらず、利用者が伸び悩んでいるという例も増加しています。

こうした事例の多くが、現実世界を忠実に再現してしまったがために、リアルで抱えている課題をそのままメタバースでも再現してしまうことにある、と同社は分析しました。そこで、この弱点を補完するために、シンプルでありながら細部にはこだわりのある空間と、スマホでの操作性を重視したフロアマップ型メタバースのサービスを構築。こうして生まれたのがOMPです。

MYUCAはOMPを基盤として、多久市に実在するショップやサービス、名所、企業などを集約して配置し、地域の特徴を表現。ユーザーは観光やショッピング気分でMYUCAを訪れ、まちを散策しながら多久市を手軽に疑似体験できる仕組みになっています。

もちろん、コンパクトなメタバースとはいえ、現実とかけ離れた表現はできません。そこで活躍したのが、建設会社の技術です。アシスには笹川工建という注文住宅を手がける関連企業があり、同社のノウハウを用いて建物の縮尺などをメタバースでも再現。特徴をデフォルメした上で、まちの雰囲気を壊さずに表現することに成功しています。

MYUCAでは店舗・企業が既に持っているホームページやECサイトとのリンクも可能で、出店者が集まるベースランドの上に浮かんだライブスペースは、動画の配信やプロモーション活動、イベントなどに活用できます。

さらに、MYUCAのベースであるOMPは財務会計データとの連携もできる設計となっており、出店者はECサイトの売り上げや財務会計システムのデータをもとに、自社の経営状況を視覚的に確認することができます。

アシスのコメントによると、今後は参入企業を増やし、ベースランドを拡張していく計画もあるとのこと。人口減や少子高齢化に伴い地方の課題が山積する中、こうした取り組みの効果が現実世界にも波及し、地域活性化に繋がっていくことが期待されます。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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