TOPPAN、メタバースで文化財・研究資料の学習「スタジアムシアター」発表

TOPPANとトータルメディア開発研究所は、メタバース上での授業形式と、専門家との双方向コミュニケーションの両方を通じて、博物館や科学館が保有する文化財や研究資料を学習できる「スタジアムシアター」の開発を発表しました。

©TOPPAN Inc.

TOPPANは、TOPPANホールディングスのグループ会社で、情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクスの3分野にわたり幅広い事業活動を展開する企業です。スマホやタブレット、PCから利用できるメタバースプラットフォーム「メタパ」を提供しています。

またトータルメディア開発研究所は、国公立の博物館や科学館をはじめ、産業・環境・観光・教育などに関わる地域資源を生かした施設を開発する企業です。集客力の高い地域活性化の拠点づくりや文化振興事業を総合的にプロデュースしています。

博物館や科学館では、来場者の理解を深めるために模型や環境再現展示などの手法を導入していますが、実際に訪れた人しか体験できません。また解説動画を視聴するだけでは専門家に疑問点を質問できず、理解を深めることが難しいという問題があります。

このような課題に対し、TOPPANのメタバース設計・運営ノウハウと、トータルメディア開発研究所が博物館や科学館などで行ってきた展示空間演出のノウハウをかけ合わせ、現地に行く以上の臨場感と双方向コミュニケーションによって、展示品についての理解をより深めることができるスタジアムシアターを開発したとのことです。

今回発表されたスタジアムシアターは、TOPPANが提供するメタパのシステムを活用して製作・運用されます。先生役であるサイエンスコミュニケーター(※)が授業形式で説明を行う空間と、博物館や科学館が保有する文化財や研究資料を、高精細映像や3Dアニメーションで忠実に再現したコンテンツがセットで提供され、双方向コミニュケーションによるイベントや学習会などの教育プログラムを実施し、参加者の理解を深めることができます。

※科学を解説したり、研究の面白さを伝えるほか、一般の人々の疑問や期待を研究者や技術者に伝えることで、科学と社会の間に双方向のコミュニケーションを生みだす専門家のこと

半球型のドームに投影された360度の高精細映像や、展示物を再現した3Dアニメーションでは、展示品の特徴がわかりやすい角度や、普段見ることができない位置や角度で見ることができるなど、あらゆる角度で対象物を観察可能です。

スタジアムシアターイメージ ©TOPPAN Inc.

さらに特徴的な機能として、アバターのサイエンスコミュニケーターの後ろに、参加者のアバターが自動で追従する「引率者自動追尾機能」があり、シアター内のツアーにも利用できます。ほかには特定の場所を照らす「スポットライト機能」もあり、案内したい場所への誘導を容易に行うことができるとのこと。

TOPPANとトータルメディア開発研究所はスタジアムシアターの開発にあたり、「国内外の博物館・科学館・産業博物館・イベント企画会社などに向けて本スタジアムシアターを展開し、2030年までに100館以上への採用を目指します」としたうえで、「今後もメタバースを活用した教育プログラムを開発することで、時間と時空を超えてあらゆる人が平等に学習できる機会の創出に貢献していきます」とコメントしています。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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