クレジットカード大手マスターカードのNFT責任者であるサトヴィク・セティ氏が、退職の報告と辞表をNFTとして販売したことを発表しました。
マスターカードは、クレジットカードの国際ブランドのひとつです。国際ブランドとは、世界中でクレジットカードの決済システムを提供している会社のことで、マスターカードやVisa(ビザ)が代表的な国際ブランドとして広く知られています。
サトヴィク・セティ氏は2月3日、マスターカードを退職した理由について「就労ビザの関係で拠点をニューヨークからロンドンに移したことで、給与を40%カットされたうえ、仕事量が倍になった」とツイート。これにより同氏は副業をはじめ、生活費を稼ぐようになりました。
またサトヴィク・セティ氏は、マスターカードで不適切なプロセスやコミュニケーション不足、社内の非効率性によって、ハラスメントや精神的苦痛の被害者になったとのこと。さらに、給与の未払いが何か月か発生していたそうです。
こうした状況を踏まえてマスターカードに退職を申請したところ、人事部から予告期間のために3か月間仕事を続けるように促されました。しかし、実際に退職する際には、1か月分の給与のみが支給され、人事部から「その条件を受け入れなければ、給付金やボーナスの支払いがなくなる」などの圧力をかけられたとのことです。
サトヴィク・セティ氏が一連の会話を録音していたことを人事部に伝えると、業務で使用するアカウントをすべてロックされ、強制的に退職に追い込まれました。さらにパニック障害とうつ病に悩まされ、退職によるロンドンでの就労ビザ失効により、拠点を一時的に出身地であるインドに移すことになったそうです。
この一連の出来事から、サトヴィク・セティ氏は生活費の支援を募るための手段で、マスターカードに提出できなかったと思われる辞表をNFTとして販売することを発表。
NFTマーケットプレイスManifoldにて1点0.023ETH(記事執筆時のレートで約5,200円)、計49点が発行されています。同氏はこのNFTについて、「将来的には、保有者に向けて何らかのNFTアートをエアドロップする」とツイートしています。
サトヴィク・セティ氏の退職の影響に注目が集まる
マスターカードは2022年4月、15件の商標登録をおこない、その内容から将来的にNFT市場、メタバース(仮想空間)での決済や商取引を念頭に置いていることがわかっています。
弁護士であるMike Kondoudis氏のツイートによると、マスターカードがアメリカ特許商標庁に提出した商標登録の申請書には、同社のキャッチコピー“プライスレス(Priceless)”があり、「NFT形式のダウンロード可能な音楽ファイル」や「NFT形式のアート、テキスト、オーディオ、動画などを含むマルチメディアファイル」で使用することを意図した内容になっていました。
NFT責任者であるサトヴィク・セティ氏が退職したことで、今後の計画に支障があるのか注目が集まっています。
投稿者プロフィール
- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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