合同会社アルケミスト 渡邊勇介代表インタビュー

教えて!偉い人!【女子大生の社長訪問日記】

ゼロイチをやる人は尊敬されるべき人です。

しかし現代の世界で流行りものを生み出すとはどういうことでしょう。

もちろん、何もないところから新しい案を出してカタチにした人もすごいです。

でも今の世の中一回バズらせることで一気に世の中に広がります。

反対に言えばそのバズりが無いと、知ってもらうことすらできません。

SNSを味方につけた人が勝つ。そんな時代になって来ているのではないでしょうか。

会社、商品、人物をどのように見せて、世に売り出していくのか、それが一番カギを握っています。

このシリーズでは現役就活生の私が現役社長の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。

働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?

今後の就活生はどこを見て会社を選んだらいいの?

今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。

就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。

編集担当:たまご

インタビュー日時:2021年9月

目次

その人の生き方をブランドストーリーにする仕事

今回インタビューさせていただいたのは合同会社アルケミストの渡邊勇介代表。

大学を中退してから独学で映像の世界に飛び込み、現在は個人、法人におけるブランドイメージの構築やコンセプトの開発をする業務をされています。

独自で開発した商品を世に流行らせたい人、人気ユーチューバーになりたい人、キラキラインスタグラマーを夢見ている人必見です!

社名アルケミスト 夢を追い求めた少年のお話

たまご:お名前と御社の正式表記を教えて下さい。

渡邊さん:合同会社アルケミストの代表社長渡邊勇介と申します。ブランドマネージャー、コンセプト開発者をやっています。

たまご:御社の名前をアルケミストにした由来がありましたら教えていただきたいです。

渡邊さん:もともと、プロジェクトごとにチームを編成した経営者の集まりとして、入れ物があったらいいねっていうお話をしてたんですよね。あんまり深く社名とか考えていなくて。

渡邊さん:ただ、やってきたことが法人、個人のブランドをプロデュースすることだったので、理念に立ち返って考えてみたとき、ある方にとてもいい本があると教えてもらい、その小説のタイトルから取りました。

たまご:ちなみにそれはどういった内容の本ですか?

渡邊さん:アラビア風の本なんですけど『アルケミスト』というのはアラビア語で錬金術師という意味で、夢を追い求める少年の冒険を描いた本です。錬金術って言うと、少し怪しげな雰囲気がありますが。笑

渡邊さん:世界では多くの経営者の方がこの本を読んでいます。自分のやりたいこと、将来のビジョンについて考えるときにいい本ですね。価値観の羅針盤を見つけるために少年が夢を追い求める話です。

たまご:面白そうですね。ぜひ読みたいです。

たまご:合同会社と株式会社の違いを簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか?

渡邊さん:株式会社は株を発行して一般の方々からお金を集めて運営するというシステムなんですけど、会社を始めるときにシンプルに株式会社の方が踏まなければならない手続きが多くて、合同会社の方が簡単に登記することができます。

渡邊さん:会社を始めようとした当初は上場も資金調達もあまり考えていなかったので手続きが比較的容易な合同会社を選びました。

たまご:そうだったんですね。では今後株式会社に移行する可能性もあるってことですね!

フリーランス時代、手取りが月3万だったことも

たまご:渡邊さんの略歴を教えて下さい。

渡邊さん:2011年に立教大学法学部を中退したあと、フリーランスで映像の世界に入りました。技術も何もなかったので、ADとして複数の現場を引きずり回って、撮影→編集→納品までを一括で行ってました。

渡邊さん:2014年くらいに、youtubeを使った、コンテンツマーケティングとかが流行り出していたので、映像制作の傍ら、プロモーションやマーケティングのこともかじって学ぶようになりましたね。このときに出会った方、元ウィルゲートのCMOである原田翔太さんには今でもお世話になっており、私の事業理念にも影響をいただいております。
 
渡邊さん:2017年くらいになると、より上流工程、すなわち資金調達からプロダクトを出すところまで一貫した仕組みを求められるようになってきました。この時期にビジネスモデルがなんぞやとか、バランスシートとか、バリュエーションとか、スタートアップとか……なんかかっこいい言葉をたくさん覚えて、事業構築にがんばってましたね。実績としては、この時期に重要無形文化財の大倉正之助先生と出会い、国立能楽堂でのイベントに関わらせていただいたりしていました。

渡邊さん:2018年から、現在の会社のスタイルになり、新規事業や既存事業を包括的にマネージメント、リブランドするチームを発足しました。案件に応じて集まるスタイルですが、今年度は、同じチームのメンバーの紹介で、真言宗 金剛院の和尚さんの活動コンセプト(空海和尚のお寺)、また、契約が終わってしまった案件ではありますが、ゼロの状態から関わったのち、地上波放映、グローバルブランドのスポンサー獲得、出版まで裏方としてサポートさせていただいた方もおります。

たまご:すごく興味深いお話がたくさんありますね。事前にご回答いただいたアンケートで人生で一番つらかった時期を大学中退後の5年間と書いてあったと思うのですが、フリーランスで映像の世界に入るというのはとても大変だろうなと思いました。

たまご:大学の時は何をされていたんですか?

渡邊さん:ストリートダンスサークルに入っていました。卒業制作がある団体で、とても情熱的な人たちの集まりでしたね。私自身って、こんなこというと怒られてしまうかもしれないんですが、学生時代は地方から出てきて将来のことも何も考えていなくて。笑

渡邊さん:周りをみていると、みんなすごい情熱をもって就職活動している。それに比べて、自分が書いたものが、どうしても付け焼き刃にしか見えなくて。このまま就活するのはなんか違くない?と思っていました。

渡邊さん:卒業制作で舞台の裏方を担当しているうちに将来は舞台を作る側の仕事に就きたいと思うようになって。でも一応広告・エンタメ系に絞って就活をしていました。

たまご:エンタメ系って難しいですよね。なかなか学生時代に経験することも難しいですし、そもそも採用の枠も少ないですし。

渡邊さん:枠少ないですね。

たまご:今も採用カットしているところ多いんですかね?

渡邊さん:多いと思いますよ。コロナ禍で広告・エンタメ業界も打撃を受けた業界ですからね。

たまご:そうですよね。実際当面撮影中止にしていたところもあるし、大型イベントは軒並み中止ですもんね。

渡邊さん:大学3年の冬くらいから就活を始めたんですけど、なんとなく、身が入らない自分に気付いてしまったというか、自分に嘘がつけなくて。こんなモチベーションで続けるのは自分にとっても相手にとってもよろしくないだろうなと思いました。

渡邊さん:大手の広告代理店、それから興味があった会社の面談をうけてから、自分はまずは現場で仕事っていうものを知ろう、ということで、いきなり制作に現場に入れてもらいました。

渡邊さん:就職活動で、頑張り切れなかったなという思いがあったのでフリーランスの時代はいくら辛くても頑張ろうと思っていました。

たまご:ADさんって本当に大変なお仕事ですよね。私も大学1年のときにドラマや映画撮影に参加させてもらったことがあるんですけど、ADさんはランチをまともに座って食べたこと無いって言ってました。

渡邊さん:そうです。でもフリーランスなので月手取り3万とかですよ。

たまご:3万?!フリーランスのデメリットは労働基準法に引っかからないところですもんね…。

渡邊さん:はい。最初のころは、朝9時に出社して、夜の11時までが映像の仕事。そのあとはセブンイレブンでバイト。映像は1年半くらいで仕事を覚えて、業務委託でいくつか仕事をもらえるようになって、企画とかに引っ張られるようになりました。

渡邊さん:その時点で会社を始めたので、会社の正社員になったことはないですね。

渡邊さん:よく起業の話を相談されますが、社会経験のない方はまずはベンチャーなり、丁稚奉公なり、やっぱり下積みをしたほうが安全だと思います。それでも怖いもの見たさのある方は、いきなり独立されてもいいと思いますが。

たまご:未経験で入って映像のことに関しては独学なのに引っ張りだこになれるってすごいですね。

オウンドメディアが流行り出した2014年

たまご:YouTubeでコンテンツマーケティングが本格的に流行ったのって2014年なんですね。YouTubeってそんな前から流行ってましたっけ?私の体感2018年くらいからのイメージなんですけど。

渡邊さん:ヒカキンさんが最初にドーンと行ったのが2014年とかですよ!

たまご:ヒカキンさんってそんな前から有名だったんですか?!私そもそも携帯持ったのが2015年からなんで疎いんですよね…。YouTube見始めたのも去年とかです。

渡邊さん:映像業界って狭いので、当時はテレビの制作とかをやっている人からしたらユーチューバーが最近来ていますと名前を出しても「そんなやつら、三年でどうせすぐ消えるだろう」と一蹴されていたんです。

渡邊さん:でもWebの制作をわかっている人たちからすると、明らかに時代が動いていた。その時から将来YouTubeの時代が来るというのは言われていました。

たまご:まさに予感的中ですね。預言者じゃないですか。

渡邊さん:でももともとヒカキンさんの動画は子供向けのものが多かったんですよ。

たまご:だからヒカキンさんって子供に大人気なんですね!

渡邊さん:そうですよ。その後、広告収入で稼ぐのなら大人をターゲットにした方が良いということで投資系などビジネス系のユーチューバーも出始めたんです。スタートは子供向けでしたね。

渡邊さん:それまでって広告収入で稼ぐとなると、テレビや雑誌の枠を宣伝のためにお金を払って買わなければいけなかったんです。でも今はオウンドメディアといって、YouTubeだったら自分が作成した動画が広告を貼る枠になるし、それ以外にも新しい媒体を自分たちで作ることだって可能ですね。

たまご:そうですね。私が記事を書いて掲載しているメディアも同じ原理ですよね。

渡邊さん:コンテンツを作って、広告を出す場所も作って、媒体も作れる。それが1人でも可能な時代になりました。それらをすべてできる人はいまでも生き残っていますよね。

渡邊さん:もっというと、これからは個人が自分のメディアを持つのはもう当たり前。そのうえで、差別化するためのオリジナルの世界観、ブランドを構築していくことが主流になっていると思います。学生の方でも、優秀な方はすでにフォロワーなり、企業案件なりを個人で獲得してますもんね。

ブランドイメージの作り方/ベンツはヤクザの車というイメージだった

たまご:次に大倉正之助さんとコラボしたお話について詳しく聞きたいです。

渡邊さん:はい。大倉正之助さんという方は重要無形文化財に認定されている能楽業界のすごい方なんですけど、ご縁をいただいて、国立能楽堂でのイベントに一緒に参加させていただきました。

たまご:人物が重要無形文化財になれるんですね…。検索したら人間国宝って出てきました。すごい方ですね。

渡邊さん:一応、人間国宝とはまた別のくくりみたいなのですが…。私もお友達に紹介していただいて。能というのは哲学的な部分があるお芝居で、かなり玄人(くろうと)向けの演目が多く、初めて体験する方には難しいと思います。

渡邊さん:『もっと能楽を身近に』というコンセプトは私も興味があって、一年ほど時間をかけて、チームのメンバーで取り組みました。

渡邊さん:ちょうどそのころ、私のブランド開発の会社が発足したところでして、顧問をやってくださっている富田浩さんが、大倉先生がメルセデスベンツの日本における初代アンバサダーだと教えてくれたんです。再開するのは数十年ぶりということで、お二人を引き合わせて、いろんなお話しを伺いました。

渡邊さん:学生にたまに聞かれるんですが、イメージ広告ってわかりますか?

たまご:イメージ広告って普通の広告と違うんですか?

渡邊さん:広告にはいくつか種類があって、商品を売るための広告と、ブランドのイメージを定着させるためのイメージ広告があります。ベンツってもともとヤクザが乗る車というイメージがあったんです。

たまご:え!!そうなんですか?!お金持しか乗れない高級車のイメージです。

渡邊さん:今はそうですよね。このイメージを変えるために、『メルセデスの嘘』という衝撃的なタイトルのキャンペーンを富田さんは当時展開されていて、安心安全、女性でも乗れる車というイメージにブランド自体を変えてしまいました。いくつか広告賞もいただいたそうですよ。

渡邊さん:私の今行っている、法人に対してのブランドマネージメントのイロハは、ほとんどこの方から教わりました。

たまご:ベンツのイメージを最初に変えた方なんですね。

オストメイトモデルのNHK取材と海外進出

たまご:次に2018年のグローバルブランドのスポンサーと出版に関して詳しく教えて下さい。

渡邊さん:ちょうどコロナ禍に入ったくらいの時に、『オストメイト』の方からお仕事依頼を頂きまして。

たまご:オストメイトってなんですか?

渡邊さん:大腸癌などが原因で人工の腸をつけている方のことです。その方は自分がオストメイトであることを隠さず、それを公表した上で、オストメイトの方々が生きやすい世の中を作ることを望まれていました。コピーライターの方も医療系の方で固めて、ポスター作りから何から、裏方として戦略を提案させていただいておりました。

渡邊さん:最初のほうはTwitterでもフォロワーが200人くらいだったんですが、ご本人やチームの働きもあって、NHKのドキュメンタリー番組が取材に来たのち、ヨーロッパのメーカーからもオストメイトモデルとしてもお仕事依頼が来たりと、日本のオストメイトのイメージを払拭することに繋がりました。たいへんバイタリティのある方で、これからもっともっと活躍するんじゃないかなと思っています。

たまご:ヨーロッパからイメージモデルの依頼ってすごいですね。メディアの影響力に脅威を感じます。

個人がブランドを持つ時代

たまご:御社の事業展開やビジネスモデルについてご説明お願いします。ブランドマネージャー、コンセプト開発者とはどういったお仕事なのでしょうか?

渡邊さん:ブランドって聞くと、巷で流行っているようなSNSの発信方法をまず想像すると思うのですが、我々のやり方は、まず、相手の歴史を深く理解するところから始めます。

渡邊さん:会社のミッションが、「新しい物語を創造する」としてあるのも、出会った方々、無名、有名にかぎらず、オリジナルのブランドストーリーを創って、活動の基盤にしてほしいと思って、仲間とサービスをつくりました。

渡邊さん:2021年からは、会社自体のブランドをさらに強化するために、これまでの実績もふくめて、対外的な発信を重視していこうかなと考えています。

渡邊さん:これまでの、個人に対する自己ブランド開発をさらに洗練してお届けすることはもちろんなのですが、法人案件にたいしても、新しい切り口でサービスを提供できないか?あるいは、共同で事業に取り組んでいるメンバーとは、上記の個人ブランド開発を、ある特定の業界にあてはめて、世の中の課題を解決するサービスを構築できないか?と企画をすすめています。

渡邊さん:あっという間に時間は過ぎてしまうので、毎日一歩でも話を進められるように、切磋琢磨していますね。

たまご:ブランドイメージを高めるのって会社の売上にも直結してきますよね。

渡邊さん:特に最近は、ESG投資の話や、SDGsの話がトレンドになっているので、いかに自社のプロダクトに持続可能性を取り組んだ物語を組み込めるか? がキーになってきていますね。そういった案件のご相談もいただきます。

たまご:コロナで良い影響、悪い影響は何かありましたか?

渡邊さん:良い影響は、私個人でいうとコンセプトを考えたり、企画を考えたり、とにかく思考をする時間が前より増えて考える時間がたっぷりとれるようになりました。もともとリモートで完結する業務なので、あまり言えないですが、自分たちにとっては有利にはたらきました。

渡邊さん:とはいえ、それだけだとどうしても、世の中の空気感や、周りのメンバーとの暗黙知というか、文化共有に遅れが出てしまうので意識的に他のオンラインコミュニティに入るようになりましたね。

渡邊さん:4月くらいに、比較的それまでの仕事が落ち着いたので、それまであまり活発に参加してこなかった、いわゆるオンラインサロンみたいなものに入って、いろんな人と交流しよう!と思いました。

ブランド・人を育てるオンライン大学

渡邊さん:どこにするか迷っているときに、YouTubeでたまたま、元ZOZOの執行役員である田端信太郎さんのサロン(田端大学)に入学させてもらって、自分のなかでは大きく価値観に影響を受けています。

渡邊さん:対外的な発信や、広報、広告の考え方など…ずっと独学でやってきた部分が、大手のメディアをいくつも立ち上げてきた方の知見はこんなに幅広いのかと(笑)

渡邊さん:とにかく情報量が圧倒的だったので、4月からはずっとこのサロンに入り浸っています(笑)おそらくオンラインの動画をみていなければ、出会っていなかったかもしれないので、コロナのおかげかもしれませんね。

たまご:田端大学、社会人のためのオンライン大学なんですね。

渡邊さん:田端さんは今年(2021年)の4月くらいに本を出版されて、このオンライン大学は3年前くらいからやられています。憩いの場みたいな感じかなと思ったんですけど、体育会みたいな感じでした!

渡邊さん:毎月プレゼン課題が出て、それで優勝すると月の会費が無料になるんです。月額1万円。

たまご:1万円無料になるんですね(笑)

渡邊さん:未来永劫学費免除ですよ!!

たまご:え!それはすごいです。

渡邊さん:だから僕、いま会費無料なんですよ。三ヶ月目に最優秀賞をいただきまして。たとえば、『3分間でいままでで一番許せなかった話をして最後にオチをつけろ』という課題などが出ます。

たまご:松本人志の滑らない話みたいな。すごく楽しそうです!

渡邊さん:社会に出て仕事をするときに大切なことって学生時代には結局だれも教えてくれないじゃないですか。田端大学は何歳でも入学可能なので就活生や高校生にもおすすめです。今思えばその時期に知りたかったなと思うことがたくさん学べます。

渡邊さん:あとなにより、田端さんとの距離が本当に近いので、貴重なお話を伺える機会がとても多いです。いままで入ったサロンのなかではいちばんおすすめかな。

たまご:社会人向けのオンライン大学と記載されていましたが、社会人じゃなくても入学できるんですね!私も学生時代に教えてほしかった、就活する前に知りたかったということがたくさんあります。社会に出たら人脈がとても大切なのに、コミュニケーション能力が一番大切だということを学校では教えてくれないですよね。

その人の生き方がブランドになる

たまご:私はブランド化するってある種、神格化するという意味だと思っているんです。例えばLOUIS VUITTONにしてもCHANELにしてもそこのブランドが出しているからこそ、その値段でもみんな買うというものが多いじゃないですか。もちろんモノもいいのでしょうけど、バッグに50万とかってなかなか高いですよね。

たまご:たとえば他の洋服やバッグのブランドがそれらの仲間入りをしたいと依頼してきたとしたら、渡邊さんはどのようにブランド化を進めていくのでしょうか?

渡邊さん:ブランドを作るときのルールっていくつかあるんですが、簡単にいうと、その人の人生、ライフスタイルをもとに、法人でいうところのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を、6ヶ月間で作っていきます。

渡邊さん:相手に合わせて、ちいさな小説を描いているような作業ですね。こちらから、「あなたはこういうキャラがいいよ」と一方的に押し付けると、活動が途中で頓挫してしまうことがほとんどなので、あくまで相手の歴史のなかにある出来事や、価値観を、私の言葉で物語に変換してお渡しするという活動をしています。 

たまご:ココ・シャネルとかそうですよね?映画になってますもんね。生き方がブランドになるって素敵ですね。

渡邊さん:そうですね、映画を作る感覚にも似ています。ブランドストーリーを作るというのはみんなにとっての新しい未来を作るということですからね。

たまご:相談に来る方にはどんな方、どのような局面の方がいるのでしょうか。

渡邊さん:まったく対外的な活動をしていない方ももちろんいますが、基本、ある程度は事業が落ち着いてきたときに、次の成長曲線を見つけたいという人が多いですね。会社の方向性、会社の次の成長の指針にするための、コンセプトを作ってほしい、みたいな依頼がきます。

たまご:それからインスタとかのアカウントを大きくしたいという相談もありそうですよね。

渡邊さん:ありますね。そういった場合であっても、まずは原点に立ち戻って、そもそもあなたは何をしていきたい人だったの?というところからヒアリングします。これ、別に趣味でやっているわけではなく、歴史や言葉のなかに、その人らしさがたくさん埋もれているので、最終的にはその人の価値観、世界観がいちばんの差別化ポイントになるんですよね。

渡邊さん:それこそ、その人の生き方をブランド化するってことだと思うんですけども。今はみんなが発信をはじめた、真の意味での個人の時代なので今のサービスはとても好評を頂いていますね。

たまご:そうですよね。すごく需要高そうです。私もお願いしたいです!

渡邊さん:これからは、学生の方が人材として世の中に出ていく際にも、自分のビジネス上の強みを長い時間をかけて獲得して、どこにいっても重宝される人間になっていくことが大切です。ブランドって、つくったからすぐに効果が出るものではないんですが、ぜひ長い目で見てもらって、自分という人材の付加価値を上げる手段にしてもらえたらと思います。

渡邊さん:本日はありがとうございました。

たまご:こちらこそありがとうございました!

合同会社アルケミスト 会社概要

会社公式ページhttps://alchemist.jpn.com/

お仕事のご依頼・ご相談

お問い合わせhttps://alchemist.jpn.com/

編集後記

私は小さい頃からテレビっ子でテレビの世界で働きたいとずっと思っていたので今回のお話とても面白かったです!

イメージはとても重要です。現在は特に自分が良いと思うから買うのではなく、みんなが良いと言っているから買う人の方が多いです。

なんでこの商品が良いと思ったのかを聞かれて、なんで良いかはわからないけどみんなが良いと言っているからという人は多いのではないでしょうか。

私はベンツの話を聞いてとても驚きました。お金持ちの友達がみんな親にベンツを買ってもらっていて、もはや『パパに買ってもらったベンツ』は私の憧れでした。(免許持ってませんが)

それくらいみんなの憧れという印象が染み付いているのに、他のイメージを払拭するのにどれだけの努力が必要だったのだろうと思うと、イメージ広告の凄さを実感しました。

ゼロからイチを作る人は尊敬されるべき人だと思います。

ただそのイチを百にするためには興味を引いて、周知させて、みんなの人気者にしなければなりません。

そこのアクセルを踏ませることも今の社会ではゼロイチを作ることと同じくらい重要な役割だと私は思います。

商品やブランドがどこまで有名になるのか、どんなイメージで定着するのか、どこまで人気がでるのかは見せ方にかかっています。

渡邊さんのお仕事は今後一番求められるテクニックを含んでいるのだろうなと感じました。

私はブランドと聞いたら高額なバックのブランドの名前がたくさん出てきて、欲しいと思うけれど、どうしてこんなに高くてもみんながこぞって買うのか疑問に思っていました。

『生き方がブランドになる』この言葉がとても素敵だなと思いました。

みんなの憧れとなっているのはもともとブランドのロゴでもなんでもなくて、その人の生き方、その人自身だったということに気づきました。

投稿者プロフィール

たまご
たまご
恵比寿から港区女子を夢見てライターの仕事をしている新卒OLです。
夜景とイルミネーションが好きで、いつかタワーマンションに住んで都会の夜景を独り占めしたいと思っています。
インスタでハッシュタグ「豪邸」で調べることと、お風呂上りにベランダでオレンジビールを飲むことと、おいしいボンボンショコラを一日一個ずつ食べることと、ミルクティーを飲みながら読書をすることが好きです。
よろしくお願いします。
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