NFTマーケットプレイスのOpenSeaが、クリエイターへのロイヤリティ(二次流通時の手数料)を徴収するオンチェーンツールの導入を発表しました。
OpenSeaは、世界最大手のNFTマーケットプレイス。アートや音楽など取引できるNFTの種類が多く、「CryptoPunks(クリプトパンクス)」や「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」といった有名なNFTコレクションがラインナップしていることで知られています。
今回、OpenSeaはクリエイターへのロイヤリティを徴収するオンチェーン(※)ツールの導入を発表。同ツールを使用することで、新たにNFTコレクションを販売するクリエイターは、ロイヤリティの割合を自身で決められるようになり、購入者は設定されたロイヤリティの支払いが義務づけられます。ツールを使用しない場合は、ロイヤリティの設定ができないとのこと。
(※)ブロックチェーン上に記録される取引のこと。
オンチェーンツール導入の背景
MagicEdenやLooksRareなど競合のNFTマーケットプレイスでは、購入者にロイヤリティの支払いを選択させる仕組みがトレンドになっており、ほとんどの購入者が支払いを拒否した結果、クリエイターの収益が減少しています。
OpenSeaのツイートによると、NFTコレクションの上位20プロジェクトがロイヤリティを受け取っている割合は、10月12日時点で77%だったものが、11月2日時点で56%まで大幅に減少。こうした現状を踏まえ、OpenSeaは「すぐに何かが変わらない限り、NFTの世界ではクリエイターに支払われる報酬が大幅に減少していく傾向にある」と指摘し、オンチェーンツール導入にいたりました。
BAYCを提供するユガ・ラボ(Yuga Labs)の創設者Wylie Aronow氏も、OpenSeaの取り組みに賛同。「多くのアーティストやクリエイターをNFTエコシステムに引き寄せたのは、ロイヤリティの存在が大きい」としたうえで、「もしロイヤリティの仕組みがなければNFT市場は現在ほど発展していなかった」とコメントしています。
既存のNFTコレクションもロイヤリティ制度を維持
OpenSeaは2018年より、ロイヤリティ制度を取り入れています。「すでに掲載されているNFTコレクションのロイヤリティ徴収は12月8日まで。それ以降は検討中」とされていましたが、多くのクリエイターから意見が寄せられ、12月8日以降も既存のNFTコレクションのロイヤリティ制度を維持すると発表がありました。
またOpenSeaは、「数か月の間にオンチェーンツールに関する取り組みや改善を発表し、その過程でコミュニティと協力してフィードバックを得ていく」と述べており、クリエイターにとってロイヤリティ制度は自身の収益に直結するため、今後の動向に注目が集まっています。
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- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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