千葉工業大学、学位証明書をNFTで発行。就活時に成績や学位証明

千葉工業大学とブロックチェーン事業を展開するPitPa(ピトパ)社が、令和4年度卒業生に授与する学位証明書をNFTで発行しました。学位証明書はNFTと、オンライン上で資格や能力などの個人情報を検証できるVC技術を組み合わせていることが特徴で、就職活動時に同大学で成績や取得した学位などの証明が可能です。

PitPa社は、「メディアのあり方を再定義し、持続可能な経済性を提供する」をミッションに、ブロックチェーン事業やポッドキャスト制作事業を展開する企業です。ポッドキャスト制作事業では、元MITメディアラボ所長で現在は千葉工業大学・変革センター所長を務める伊藤穰一氏のポッドキャスト番組「Joi Ito’s Podcast – 変革への道」を運用。リスナーに個人の学歴や職歴、スキルといった人的資本に関わるNFT証明書を発行するなど、さまざまな取り組みを行っています。

今回発表されたNFT学位証明書は、オンチェーン情報で一般公開されるNFTと、ブロックチェーンを必要とせず資格や能力などの個人情報をオンライン上で検証できるVC(Verifiable Credentials)技術を使用していることが特徴です。

NFTとVCを組み合わせることで、NFTでは千葉工業大学の卒業生であることだけがわかり、そのほかの情報はVCで本人が選択した内容を公開できます。例えば、就職活動時の経歴書にVCのURLを記載しておくことで、同大学の成績や取得した学位などをオンライン上で証明することが可能です。

また、NFTの秘密鍵はWeb3企業のCrypto Garage(クリプトガレージ)社が提供するキーマネジメントサービス「mahola wallet」を利用し、情報漏洩リスクの低減化を図った仕組みになっています。

NFT学位証明書はNFTマーケットプレイスOpenSeaで閲覧できるほか、MetaMaskなどの暗号資産(仮想通貨)ウォレットで管理できるため、NFTと連携可能なチャットツールやタスク管理ツールで本人の証明が可能です。国際規格に準拠しており、海外での就職活動でも活用できるとのこと。

さらに就職の採用選考では、企業が応募者の職歴、新卒であれば大学での成績や取得した学位などを調査するリファレンスチェックの作業が生じますが、NFT学位証明書があれば、企業が大学に問い合わせることなく、第三者が立証した情報を見ることで、時間やコストが節約できるといった狙いもあるそうです。

NFT学位証明書のデザインは、千葉工業大学創造学部デザイン科稲坂研究室の学生3名が考案。卒業はゴールではなく人生の一過程であることから、学生の可能性を表す宝石の原石がモチーフになっており、原石の色は千葉工業大学のスクールカラー紫紺を採用しています。

千葉工業大学・変革センター所長の伊藤穰一氏はNFT学位証明書の発行にあたり、「VCだけでなくNFTも発行した背景は、卒業生がNFT学位証明書と他のクレデンシャルを一元管理できるようにするためです」としたうえで、「NFT学位証明書のデザインは卒業生がウォレットを接続するWeb3上のあらゆる場所で表示されるため、デザインそのものが“千葉工業大学の学生である”こと表している点にとてもワクワクしています」とコメントしています。

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投稿者プロフィール

大島 予章
大島 予章
ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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