ソーシャルメディアやシェアリングエコノミー、投資事業などを手がけるガイアックスは、箱根湯本芸能組合との協業で、日本の伝統芸能である“芸者”の文化継承をめざし、「芸者NFT」の販売を始めました。
ガイアックスは、事業会社と投資会社のハイブリッド企業。SNSやWebマーケティング、シェアリングエコノミー、DAOといった幅広い領域のビジネスを手がけ、Web3の分野でも多くの投資活動を行っています。そんな同社が今回タッグを組んだのが、日本の伝統芸能である“芸者”という分野です。
以前は「フジヤマ・ゲイシャ」という言葉を生み、日本のアイコンといえる存在だった芸者。その誕生は室町時代といわれており、以来プロのエンターテイナーとして数えきれないほどの芸者たちが日本文化の一端を担ってきました。近年では“おもてなしのプロ”として宴席に呼ばれ、特にバブル期には需要が増大し、業界の売り上げも過去最高を記録しました。
しかし、平成の頃から宴席での娯楽がカラオケにシフトしていき、芸者衆に対するニーズも減少傾向に。全国各地にあったいわゆる「花街」は衰退の一途をたどることになります。そんな中でも、この伝統文化を残すための努力を続け、生き残っている花街も存在しており、箱根湯本芸能組合もそんな組織のひとつ。花柳界では初の福利厚生システムを導入したことなどで知られ、今でも活発に活動を続けている貴重な団体です。
しかしそうした状況の中で降りかかってきたのが新型コロナ。緊急事態宣言や外出規制などで業界は大打撃を受け、芸者衆にとって重要な研鑽の機会である舞台・公演なども中止に。芸者の数もコロナ禍以前からは激減しています。
その反面、海外での知名度は衰えることがなく、コロナ禍でもオンラインでファンたちとのコミュニケーションを図るなど、その人気ぶりを見せてくれました。
今回の取り組みは、こうした事情を背景に、日本独自の芸者文化を世界に発信しつつ、この伝統芸能を応援していこうとするもの。そこで主軸ツールに選ばれたのがNFTです。
「芸者NFT」と名付けられたこのNFT、集められた資金は芸者衆の活動を応援する資金として利用される予定で、NFTの購入者には様々な特典が。例えば、日本の伝統文化を応援するサークルへの参加権、NFT保有者のみが入店できるバーへのアクセス権、日本文化オンライン講座の受講権などで、さらに英語通訳付きでひいきの芸者をお座敷に呼ぶことも可能になるようです。
箱根湯本芸能組合の組合長・舘美喜子氏は、今回のガイアックスとの協業について「このツールにより花柳界が世界から認知される事を望みます。お互いに力を携え、世界中の人たちから新しいアイデアをいただきながら、花柳界を発展させたいと思います」とメッセージ。
ガイアックスも、今回の取り組みを皮切りに、他の花街への展開や他の日本伝統文化保全の取り組みも視野に入れているとコメントしています。
投稿者プロフィール
- ウェブコンテンツ業界20年。酸いも甘いも経験したと思った矢先、業界のさらなる巨大さと深さを知り日々挑戦する爆走社長です。趣味:筋トレ・ゲーム・株式投資。
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