岡山市、“高齢者向けAIアバター”でフレイル診断の社会実証

高齢者向けAIアバター”でフレイル診断の社会実証 ウェルネス
フレイルチェック

岡山県岡山市が、高齢者のQOL向上を目指したサービスを展開するHYPER CUBEとの協業で、AIアバターによる高齢者のフレイル健康チェック診断をスタートしました。

フレイルとは健康と要介護の間の時期で、加齢にともない心身の活力が低下していく状態のこと。まだ健康な状態を取り戻せる大切な時期でもあり、自身の健康状態をチェックし、早期の介護予防に取り組むことが重要とされています。

超高齢化を迎えた日本において、高齢者の健康維持は国・自治体共通の課題です。国民のQOL向上はもちろん、要介護者が増えると医療介護費が増大し、行政の財源は今まで以上に圧迫されてしまいます。

そうした状況を事前に阻止しようと、全国の自治体が様々な健康事業に知恵を絞り、高齢者の参加を促す工夫を続けていますが、このAIアバターによるフレイルチェックにおいてはスタートアップ企業と手を組み、最新テクノロジーを活用して、さらに“遊び”の視点も絡めた内容になっているという点がユニークだといえます。

今回、岡山市と協業するHYPER CUBEは、「遊びが予防になる社会をつくる」をビジョンに掲げ、未来学、データサイエンス、ゲームCG技術などを融合し、超高齢化社会におけるQOL向上にフォーカスを当てたサービスを開発している企業です。他にもBtoB領域での事業計画やシステム開発、データ分析、アプリ開発、広告事業支援なども手掛けており、かっぱ寿司、YKK APなど大手企業とのコラボ事業にも携わっています。

また岡山市では、社会課題や行政課題に対し、最先端のテクノロジーや斬新なアイデアで課題解決とスタートアップの成長を目指す事業「GovTech Challenge OKAYAMA」という取り組みを実施しており、今回のAIアバターによるフレイルチェックも、この事業の一環として行われます。

今回のフレイルチェックは、同市の市庁舎にある市民ホールで行われるフレイル予防イベント会場、および市内の薬局など7ヵ所で実施されます。予防イベント会場は日時限定ですが、薬局等では2月末まで常設でチェックが実施されるとのことです。

フレイルチェックの方法は、タブレットに現れるAIアバター「トモニ」と対話しながら測定を受けるという流れ。

トモニから出される「バスや電車で1人で外出していますか?」といった質問に回答していき、質問が終わると“今日の結果”としてチェックシートが発行され、トモニからも「外に写真を撮りに行ってデイサービスでみんなに見せましょう!」といった健康維持に役立つアドバイスがもらえます。

社会実証というかたちで行われるこの取り組み。岡山市は市の広報で「タブレットでのフレイル健康チェックを実際に行った高齢者の感想などを聞き、AI アバターの有効性を検証することで、より使いやすく、わかりやすいサービスを提供していくとともに、今後は結果を蓄積し、過去データと比較するなど健康な生活を支援するさらなる機能追加を行う予定」とコメント。

また、HYPER CUBE側も、元来高齢者の介護予防には「大変」「つまらない」というイメージがつきまとっているという点を指摘しつつ、「トモニを通して、日常の会話を拾い上げ、個人ごとの課題を個人ごとの望み楽しみと掛け合わせることで気づきを得て楽しく予防に努めてくれる仕組み作りをしています」とのメッセージを寄せています。

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