株式会社アンノウン 米満智之社長インタビュー

教えて!偉い人!【女子大生の社長訪問日記】

広告代理店は毎年志望業界ランキングでは上位に食い込み、時代の最先端を行く外資のIT企業は、今の就活生が注目している業界の一つです。

そんな業界の代表格である電通グループと、今や知らない人がいない検索エンジンを擁するGoogleを経て起業した社長さんがいらっしゃいます。

このシリーズでは現役就活生の私が現役社長の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。

働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?

今後の就活生はどこを見て会社を選んだらいいの?

今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が本当に御社の社長さんに聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。

就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。

編集担当:たまご

インタビュー日時:2021年4月

目次

電通グループとGoogleを経て独立! 最後に選んだのは子供の頃好きだったもの

今回インタビューさせていただいたのは株式会社アンノウンの米満智之さん。

電通グループやGoogleなどの大手企業を経由し起業に至った経緯からマーケティング事業の奥深さまで、詳しくお話を伺ってきました。

それでは、インタビュー形式で米満社長についてご紹介いたします。

メンバーのダブルワークはスタンダード

たまご:略歴を教えてください。

米満さん:2002年3月早稲田大学商学部(マーケティング・マネジメント専攻)を卒業してトランスコスモス株式会社に入社しました。2010年9月DAサーチ&リンク事業本部長就任、2011年6月に取締役に就任し、電通におけるデジタルマーケティング分野、特にネット広告の売上伸長やノウハウの構築をミッションとして業務に従事。

米満さん:2013年11月グーグル合同会社に入社、グーグル広告の最適化施策であるProject hagakureやGORIN Projectの企画開発推進に従事し、日本市場における運用型広告の業務の基礎となる考え方や機械学習による最適化の概念を拡め、停滞していた検索広告市場を毎年約+25%伸ばすことに貢献できました。その経験を元に株式会社アンノウンを起業、現在に至ります。

たまご:御社の職種や事業展開について教えてください。

米満さん:当社はまだ設立から3年でクライアントの数もまだ少ない状態ですので職種は分けておりません。基本的には全メンバー個々のスキルアップを図っている状態で案件獲得後の運用業務に関してすべて習得してもらいます。

米満さん:今後の事業展開についてですが、広告代理事業やマーケティング支援事業など様々な事業を行う中で、共通して行っていることは、【分解・整理・再構築】であり、インターネットの利点である【ハヤイ・ウマイ・ヤスイ】アイデアを生み出していくことがコンセプトですので、まずはお取引頂いているクライアントに対して上記のコンセプトに沿う業務でビジネスの拡大に貢献することが第1です。次にそれらの業務を行う中でネット業界全体のレベルアップに貢献することです。

たまご:御社のアピールポイントを教えてください。

米満さん:当社は自分以外のメンバーは全員業界未経験者であり、ほぼ全員がダブルワークで他の仕事も持っています。昼間は広告運用とデータ分析やクリエーティブの制作を行い、夜は西麻布でフレンチのシェフをしているメンバーがいます。

米満さん:そういう意味で面白いメンバーが集っている部分が当社の魅力です(シェフ以外にはダンサーや作家さんなど)。昼食は社で材料を仕入れ、そのシェフが作ります。

米満さん:業務面では運用型広告における仕組みの理解とデータ分析、その結果に基づくクリエーティブ制作が身につきます。様々な業態の企業のマーケティングを知ることができ、ビジネスの拡張に寄与できることが魅力だと考えています。

たまご:西麻布のシェフってすごいですね。本当にいろんな方がいらっしゃいますね。

リーマンショックの時と同じ、広告費を見直すいい機会と考えればいい

たまご:コロナで働き方はどのように変わりましたか?

米満さん:当社ではコロナ以前からフレックスタイム制であり、業務内容の特性からネットさえ繋がれば場所はどこでもよいと考えています。最初に申し上げた通り、ほとんどのメンバーが他にも仕事をしているのもありますし、タイムマネジメントはメンバー自身に任せています。

米満さん:もちろんある程度トレーニングを受けてもらい、業務上支障のない状況になってからではありますが。リモートワーク率は1月は90%、2月、3月は50%程度でした。感覚値です。

たまご:コロナが会社に与えた良い影響と悪い影響は何ですか?

米満さん:良い影響は、これまで業務が立て込んでいるときは外出することが多かったため、メンバーの質問にすぐ答えることが難しいときもありましたが、コロナ以降オンラインでのミーティングが増え、メンバーと接する時間が増えたりトレーニングを行う機会が増やせたところです。

米満さん:逆に悪い影響は、一部のクライアントにビジネスモデル上エンドユーザーを訪問しなければならない業態があり、広告費が減少したりコロナ以前に進んでいたプロジェクトがいくつか頓挫したりしたことです。

たまご:業績が伸びた分野と落ちた分野も教えてください。

米満さん:やはりオンラインで完結するビジネスモデルのクライアントからは問い合わせが増えました。また会社に出社できない中、個人としてスキルアップを考えられている方や社としてのメンバーのスキルアップを考えられる機会は増加しておりトレーニングの問い合わせも増加しています。

米満さん:エンドユーザーとの接触が必要な業態のクライアントについては、広告費の減少がありました。

たまご:業績が下がった分野に関して今考えている改善策や実践している施策はありますか?

米満さん:コロナから遡ること12年前にも似たような状況、リーマンショックがあったわけですがそのときも売上の低下によって多くの広告主が広告費の削減や停止を行いました。

米満さん:広告というのはこういう状況になるとすぐさま削減対象になるわけですが、これまで景気が良かったために湯水のように使っていた広告費の使い方を見直すいい機会であって、効率化(ここは最も得意分野なので)もそうですが、緊急事態宣言によって購買行動が低迷した消費者の背中を押すためにどのように広告やマーケティングを展開していくべきかについて考え、提案をするようにしています。

たまご:時代の流れに沿って、今後会社をどうしていきたいですか?事業展開の方向性を教えてください。

米満さん:時代の流れというよりは、個々のアイデンティティをうまく活かすためにどのような環境を作るべきかを常々考えており、ヒト・モノ・カネについて無駄なエネルギーを使わなくてよい会社にしていきたいと考えています。

たまご:御社で挑戦できることは何ですか?

米満さん:広告やマーケティングの分野における「分解・整理・再構築」の業務です。

たまご:どんな人が御社の社風にマッチしますか?

米満さん:いい意味で負けず嫌いな人、こだわりの強い人、質問することが恥ずかしいと思わない人です。

SONYしか追いかけてなかった就活時代

たまご:では次に、米満さん自身の仕事人生についてお伺いさせていただきます。大学時代からマーケティングの仕事に興味があったのでしょうか?

米満さん:高校生のときは理系で有機化学の勉強をしていたので大学も薬学部を目指していました。

米満さん:2浪して東大を目指していましたが、理科大と早稲田に受かって、佐賀出身だったこともあり同郷の大隈重信が建てた早稲田を父におすすめされたことがきっかけで早稲田大学に進学しました。

米満さん:大学時代は携帯ショップで営業のアルバイトをしており、自分の好きな商品をどうしたらもっと売れるのかを考えることに楽しみを感じていました。その経験から大学3年でマーケティング・マネジメントのゼミに入ります。

米満さん:新卒の就活では、自分の就活のときはSONYしか追い掛けていませんでした。ソニーマーケティングに行ってウォークマンを売ることが夢だったのですが、最終面接で落ちてしまい、トランスコスモスに長い間内定受諾を保留した末で入社しました。結果的にこれが広告事業に携わるきっかけとなりました。

米満さん:Googleで自分のキャリアを振り返る機会があり、そのときに気付いたのですが、『自分が売りたいと思うような、ものすごいエンジニアリングによって創られた製品やサービスを売る』というのがやりたかった仕事でSONYが絶対条件だったかというとそうではなかったのかもしれないなと。

米満さん:大事なのは敬意と信念なのだと思いました。Googleではそんな仕事が実現できたと思っています。

米満さん:就活のエピソードではありませんが、自分は2浪しているので同世代から遅れての社会人スタートなので、量では勝てないなと、1つの案件でいろんなこと、仕事の概念というか定理というか、を自分の血肉にしていかなくてはならないと思ったことを覚えています。

米満さん:いろんな仕事に共通するカタチ、人それぞれかもしれませんが、そういうのが見つかるといいなと思います。

たまご:4つの会社を経由していらっしゃいますが、会社が変わったタイミングやきっかけを教えてください。

米満さん:電通に移籍したタイミングは、電通の内部の方に「うちに来ませんか?」と誘っていただいたのがきっかけです。

米満さん:当時の電通はデジタルが大変遅れていました。そこでデジタルの教育が必要だと思い、電通に行くことを決めました。

米満さん:電通の業界順位を上げたタイミングで今度はGoogleから移籍の話が来ました。Googleには1年半前にも一度誘われてお断りしていました。当時世界的にはBig6と呼ばれる国々がデジタルにおいて進んでいて日本はまだまだ遅れていたんです。

米満さん:業界内全体の課題を解決する場としてGoogleで仕事をすることに価値があると考えました。また、先々独立するのであればGoogleでの仕事が今後生きるのではないかと考えてGoogleに行くことを決断しました。Googleでは運用型広告の基礎を立ち上げ、約5年で大手の会社も利用してくれるまで広めました。

米満さん:Googleでも自分の役目を果たしたところで当時私は年齢も若かったため、外部の方が自由度のある仕事ができると思い独立を決めました。

自分が好きなものを売りたい

たまご:起業したいという思いは昔からありましたか?どのタイミングで自分の会社を持ちたいと思ったのでしょうか?

米満さん:最初の会社に入ったときに自分が独立するなら40くらいかなあという漠然とした思いはありました。現実的に考え始めたきっかけは父が亡くなったことです。自分の会社を作ることは父の夢でもありました。

たまご:お父様の夢を叶えたんですね!では、学生時代と社会人になってからの社会の見え方に関するギャップを教えて下さい。

米満さん:学生時代は社会の仕組みが見えてなかったということですかね。本当に自分が受けていた会社がやっていることを理解できていなかったというか。私が就活時代に持っていた軸は『好きなものを売りたい』という軸だけでした。

米満さん:でも自分が本当にやりたかった仕事を実際にやっていたのは代理店側でした。それを知らないまま面接を受けていてもそりゃ落ちるよねという感じです。

結局最後に戻ってきたのは子供の頃好きだったもの

たまご:自分に向いていることや得意なことはどうやったら見つかるのでしょうか。

たまご:私は1年間就活をしてみて、大学3年から4年の1年間で自分の向いていることを見極めて、一生の仕事にする決断をするのはとても難しいことだと思います。

たまご:どうやってマーケティングや営業が得意で向いていると気づくことができたのですか?

米満さん:結局最後にたどり着いたのは子供の頃好きだったものでした。

たまご:子供の頃好きだったものですか?

米満さん:そうです。私は子供の頃テレビで流れるCMが大好きでした。音楽や文字で商品の特性を短い間に伝えることに魅力を感じているのは子供の頃にCMが好きだったことが素地にあるのだと思います。


米満さん:営業に関しては今でも得意だとは思っていません。もともととても人見知りですし。ただモノやサービスを売るマーケティングの仕事をするのにお客さまの声を聞くのは必須だし、人見知りの矯正も兼ねて、就活では営業という職種で受けました。

たまご:子供の頃好きだったもの、それが就活で焦っているときは見えなくなってしまっているのかもしれません。最後にマーケティングや広告を勉強するうえで参考にしていたおすすめの本があったら教えてください。

米満さん:一冊目は『マーケティング戦争』という本です。マーケティングというのは戦争でいう指揮官のようなものだと思うんです。戦術がわからなければ戦えない。マーケティングはものを売る戦場において大砲になるもの。そんなマーケティングの重要さを気づかせてくれる本です。

米満さん:それから二冊目は『その数学が戦略を決める』という本です。私が最初の会社入社2年目に読んだ本で、大変この本に影響を受けました。約14年前に発売された本ですが、ネット業界の伸びを予測しています。絶対計算や統計学の前身とも言える内容が詳しく書いてあって大変勉強になりました。

米満さん:例えば、アメリカのマッチングアプリは人気1位のアプリは日本と同じで性格が似ている人同士をマッチングさせるものなのですが、2位と3位は、性格が違う人同士をマッチングさせるものなんです。その2位、3位のアルゴリズムには絶対計算が使われていて、すごい勢いで1位を猛追しているという話がありました。

たまご:すごく面白そうです! 読んでみたくなりました。質問は以上となります。本日はありがとうございました。

(株)アンノウン 会社概要

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株式会社アンノウン|un-known Inc. 人材教育Human Resource Education 広告プラットフォーム運用代理事業Advertising Platform サイト構築ディレクション事業Site Construct

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編集後記

私も就活をしていたとき内定をもらうことに焦りすぎて自分が一番好きだったこと、やりたかったことは見えなくなっていました。

自分に向いていることを勝手に決めて、それで自分を納得させて、いつしか本当にそれがやりたいのかと人に問われたときには定型文でしか答えられなくなっていたと思います。

だから私にとって「最後に選ぶのは子供の頃好きだったもの」という言葉が一番印象に残りました。

今後も人生やキャリアの選択に悩んだときに、原点としてとどめておきたい言葉です。

投稿者プロフィール

たまご
たまご
恵比寿から港区女子を夢見てライターの仕事をしている新卒OLです。
夜景とイルミネーションが好きで、いつかタワーマンションに住んで都会の夜景を独り占めしたいと思っています。
インスタでハッシュタグ「豪邸」で調べることと、お風呂上りにベランダでオレンジビールを飲むことと、おいしいボンボンショコラを一日一個ずつ食べることと、ミルクティーを飲みながら読書をすることが好きです。
よろしくお願いします。
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